side :Kanata

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「てきぱき働いてる寺島くん、すごくかっこよかったよ」 センセイのストレートな褒め言葉に対して、最初にわいた感情は『嬉しい』だった。うん、嬉しい。 だって、親の店のことそれなりに誇りに思ってるし、継ごうかなって真剣に考えてるし、だからこそ、仕事は真面目にやってるし。 でも、『嬉しい』の次にわいてきたのは、さっきと同じ『照れ』だった。耳がかあっと熱くなった。ほっぺたも。 慌てて顔をそらす。キャラ間違いもいいとこだ。 「どーも。……そんなことよりさ、うちの料理、どうだった? うまかった?」 返す言葉が見つからなくて、さりげなく話題を変える。 「うん! どのお料理もすっごくおいしかった」 「でしょ? うちの店なにげうまいんだよ」 俺がそう返したら、みくセンセイは何故か、料理を提供した時みたいに驚いた表情でこっちを見る。 「え、なに?」 「……寺島くん。ご両親のお店、とっても好きなんだね」 目を細めて、ふんわりと微笑まれて。なんでそんなド直球なんだよ。あー、ダメだ。また照れた。なんか調子狂う。
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