side : Kanata

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日直とかまじだるい。 もう1人の日直の……なんだっけ、可愛い子しか名前覚えらんないわ。まあとにかくそのナントカさんは、母親が入院してるから病院に行かなきゃらしい。 まあそんな理由言われたら、さすがの俺も断れないよね。仕方なく、放課後残って日誌を書いてんだけど、だるいし眠い。やたら眠いのは春だから? ……いや俺、年がら年中眠いわ。毎日はあくびが出るほど退屈だ。 高3になってもそれは変わんない。むしろ受験なんていう厄介なことが増えて、ますますおもしろくなくなる予感。 「あ、寺島くーん」 不意に、頭のてっぺんから出してるような甲高い声が、俺以外誰もいない教室の静けさを破った。 「あー……」 入口で手を振る女子。名前、なんだっけ? ユミ? ユイ? ……ダメだ、忘れた。ちょっと可愛くても、1回ヤったら忘れるよね。
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