シーン47

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シーン47

ーー新宿北署の近くの弥永の友人が経営する喫茶店 ーーカランカラン… 喫茶店の一番奥の個室には風香がタブレットを持って待っていた。 「お疲れ様です」 「何か分かった?風香」 「中央公園の入口近くの防犯カメラに三枝の後を追うように入っていく黒フードの男が映っていました。これです」 「マジ…つうことは予告通りブラックスワンの仕業ってことっすね」 「だろうな」 「でも…どうして処刑場ではなくこんな都内のど真ん中で処刑したんでしょうかね」 「そうっすよね。わざわざ目立つ場所なんかで」 「月島管理官が三枝が奴らに狙われてることを知って、逃がそうとしていたところを奴らにつきとめられた。それでそれを追っていた黒フードの男が仕方なく三枝を撃った。ってとこじゃない」 「でも…どうして管理官がヤクザを…」 「三枝は次長の妾の子供で…中学に上がる前、管理官の元に預けられた。あんな外道の三枝もその頃は素直な少年だったみたいね。子供がいなかった管理官は大切に育ててたみたい」 「え…三枝順次は管理官の養子?」 「そう、10年前、父が疾走する少し前、管理官に会った時、管理官の手帳から1枚の写真が落ちたことがあった」 「その写真に写っていたのが仲睦まじい親子3人の写真。恐らく養子になったばかりの頃の写真。大事そうに持ってた」 「でも…誰が管理官を」 「ブラックスワンですかね」 「違う…あいつらは罪なき者を処刑することは決してしない」 「じゃ…」 「多分…犯人は次長」 「しかし三枝を殺したのは…ブラックスワン」
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