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「次長っすか?まさか…」
「自分の子供を養子にしてくれた人を?」
ーー次長が管理官をお呼びです。
ーーどうして私を…次長が…
ーー大人しくついて来な。
ーーお前が何を考えてるかお見通しってこと。
ーー騒ぐとここでお前は死ぬことになるからな。
ーーもしかして…犬鳴村のことなのか?
ーーそれなら大丈夫だ…だから…許してくれ。
「自分にとって邪魔な存在となった順次を匿い、処刑の邪魔をしようとしたから、次長の部下の元『ゼロ』の連中に殺らせた。それもブラックスワンの仕業に見せかけて」
「なんてクソなんすか!次長って」
「俺ら…そんな人の下でなんで働かなきゃならんのです!班長!」
「抜けたい人は抜けていいよ。アタシ一人でも地の果てまで奴ら追いかけるから」
「主任、何弱気になってるんですか!」
「吉さん…」
「俺ら神童班は血の結束っす」
「俺、班長にどこまでもついていきますから」
「アンタ、班長に惚れてるだけじゃん。不純な男」
「わかった」
「じゃあ…風香はとにかく奴らのアジト、犬鳴村の位置を探って」
「りょ」
そう言うと急ぎ早に激しさを増していく闇の雨の中、店を出る彩芽。そしてそれを見送る神童班。
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