第5話 ブラックスワン、黒フードの男 シーン57

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「三枝順次の予告の時、『ついに本丸か』とか言ってましたよね」 「あの時から分かってたってことですか?」 彩芽はしばらく(うつむ)いたまましばらく答えることはしなかった。沈黙の中、聞こえるのは皆んなの呼吸だけ。彩芽の答えをただ待っていた。 「あの時…すぐにロクだって思った。隠すつもりはなかったんだけど、結局は皆んなを裏切ったことには違いない」 「だから…」 「もう皆んなはこの件には関わらないで。アタシ一人でやるべきこと」 「ごめん」 そう正面を睨むような視線で見据え出ようとした時 「ふざけんなよ!」 タスクが吐き捨てた。 ーータスク… 「そんなこと言ってねえって!ちゃんと話して下さいよお!じゃねえと俺たち班長守れないっすよ!ねえ!吉さんもですよね」 「俺たち班長が心配なんすよ」 「それ個人的趣味じゃん」 「班長!」 「班長!」 「アタシ達、一連托生じゃん、ねっ班長」 「アタシが慶応の法学部に入って初めて話したのがロクだった。警察目指してたから、入学してすぐアタシは空手同好会に入ろうと体験入部に行った」
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