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「三枝順次の予告の時、『ついに本丸か』とか言ってましたよね」
「あの時から分かってたってことですか?」
彩芽はしばらく俯いたまましばらく答えることはしなかった。沈黙の中、聞こえるのは皆んなの呼吸だけ。彩芽の答えをただ待っていた。
「あの時…すぐにロクだって思った。隠すつもりはなかったんだけど、結局は皆んなを裏切ったことには違いない」
「だから…」
「もう皆んなはこの件には関わらないで。アタシ一人でやるべきこと」
「ごめん」
そう正面を睨むような視線で見据え出ようとした時
「ふざけんなよ!」
タスクが吐き捨てた。
ーータスク…
「そんなこと言ってねえって!ちゃんと話して下さいよお!じゃねえと俺たち班長守れないっすよ!ねえ!吉さんもですよね」
「俺たち班長が心配なんすよ」
「それ個人的趣味じゃん」
「班長!」
「班長!」
「アタシ達、一連托生じゃん、ねっ班長」
「アタシが慶応の法学部に入って初めて話したのがロクだった。警察目指してたから、入学してすぐアタシは空手同好会に入ろうと体験入部に行った」
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