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第1話 2018年/犬鳴村処刑場
昭和最後の年の1989年ーーーーー
福岡県久山町近郊に実在する峠…
山深い木々の中、『犬鳴峠』と呼ばれた峠にあった旧犬鳴トンネルで5人の少年達が同級生だった20歳の少年をリンチし、さらにはガソリンをかけて焼き殺ろした。
これが夜間に撮影されたその事件現場となったトンネルである。このトンネルは普通車一台がようやく通れるほどの幅しかなかった。トンネルの中で車のドアを開けると壁にドアが触れそうな程だったと記憶している。
その事件から30年後の平成最後の年2018年の冬に起こった一人の男の失踪事件からこの物語は始まる。
福岡県久山町の山中に、時間の闇に覆い隠されようとしているトンネルがある。このトンネルを通り抜けた先には、一度足を踏み入れると二度と『生きては戻れない』村ーーーーーーーー
ーーガシャーン!
耳を劈く凄まじい金属音とともに少女の顔が壁にできた裂け目に押し当てられた。
『犬鳴村』と呼ばれた村があるーーーーー
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