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「あら、お父さんいらしてたんですね」
「ほら、今年も綺麗に金木犀が咲きましたよ」
葉の間で無数に咲く花は、まるで深緑色の宇宙に浮かぶ、金色の小さな星のよう。
今は都心では殆ど星は見えなくなってしまったけれど、幼い頃に見た、満天の星空を思い起こすは。
今では、孫に天の川はどこにあるの?と聞かれても、天の川どころか星自体数えるほどしか見られないのが寂しいは。
この辺りも、私が幼い頃には天の川もはっきりと見えていたのよ。
お友達と彦星と織姫はどこにいるのかと、何度も探してみたは。
「今年も金木犀のお酒を漬けましょうね」
「お父さん好きですものね」
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