さて

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「は?俺は、反対」 …どうして、こうなった。 あれから、冒険者ギルドに向かい、ギルドの受付の人のウケッターさんに呼び出して貰った、新人の冒険者グループ達と話し合う筈が、初っ端からお断りである。 因みに、グループは、4人で、男女2人ずつのドワーフ族の男と女、人族の男と女で、構成されていて、一応、リーダーとされる人族の男、ガッデムさんが認めてくれない。 やっぱ、15歳メンバーで構成された所に、11歳のお子ちゃまは、無理があるか…。 普通に落ち込む俺を慰める形で、師匠は、俺の背中撫でてくれて。 「ジンは、確かに、幼いし、まだ、冒険者ギルドには登録出来ないけども、実力は保証するし、ちゃんと邪魔にならないように行動させるサ。」 「……子守りだろう、実質。なんで、俺らのグループで見るのか意味わかんねぇよ。」 ぷいっと、ガッデムさんが、そっぽを向く。 「ちょっと、大人気無い…かな?ガッデム。」 「フロー。」 そっぽを向いたガッデムの肩に、優しく手を添えるのは同じ人族の女性、フローさん。 長いロングヘアで、鼻筋も通り、清楚系と呼ばれるであろう綺麗な人だ。 彼女は、その手を置いたまま、俺の方を向き優しく微笑んで。 「だって、ちゃんとギウサさんもついて手伝ってくれるし、クエストだって、人数増えれば、できない事も出来るよ。それに…。」 フローさんは、こっちをじっと見て。 「彼は悪い人じゃないわ、ガッデム。」 他の2人も笑って、頷く。 「あたしも、フローに賛成!ギウサさんの力はちょー強いしぃ、ジン君も、ギルマンさんやっつけたじゃん。」 勢いよく手を挙げて賛成したのは、ドワーフ族のプーロだ。 明るく、元気が良い可愛い系統のドワーフの女性で、ちょっと、現代風ならギャルに近い。 「おいらも、フローとプーロに賛成。」 「はぁ!?ロイド!?」 「へ、美人の2人が言うんだし、おいら女の子の味方だもーん。」 鼻を擦り、意気揚々と女の子味方の、ドワーフ族のロイド君。 彼もお調子者らしく、2人の女の子の意見にコロッと賛成に回った。 滅茶苦茶、不機嫌そうなガッデムは、俺を嫌々そうに見つめて。 「…自分の身は、自分で守れよ!」 …どうやら、認めてくれた様だ。 「はい!宜しくお願いします!」 少々、個性派が揃っているグループだが、俺は、こうして冒険者達と共にクエストに挑戦するのであった。
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