エピローグ

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エピローグ

「あぁ…疲れた。」 時間は午後八時。 本日も残業でふらふらになりながら、ネオン街を通り、その先の脇道を通れば、小さな商店街。 それに古いパン屋。 その先にあるアパートが私の住んでいる場所である。 トタンの階段を上がり2階の角部屋、やっとの思いで自分の部屋の前に立ち止まり、ウエストポーチから鍵を取り出し扉を開けて中に入る。 直ぐに扉の鍵を忘れずに閉め、やや履き潰したスポーツシューズを脱ぎ、そのまんま小さな廊下を駆け出してしまいたかったけど、きちんと靴を揃える癖は私の歩みをその場に固定する。 ぐぬぬぬと顔を歪ませながらも、しゃがんで乱れた靴を直し今度こそ足早に廊下を掛けてその先にある自分の部屋に入った。 左側が作のないベットが置いてあるのでそこにダイブ!お気に入りの毛布に顔を埋めて、先ずはこれでもかと顔を擦り付ける。 ふわふわで肌触りがとても良く1枚で幸せをたっぷり感じられる毛布は、私の心の癒しタイムです。 「〜っはぁぁぁ…凄い癒される。癒されるなぁ。」 数分間は、毛布との癒しタイムを過ごして、漸く身体を起こす。 部屋の間取りは、1Kで廊下にキッチン、トイレ、シャワーと脱衣場がある。 どれも一律になっているから使いやすいけど…派遣の仕事をころころと変えてやりたい事も見つけず、人とも余りに関わらず、この歳まできてしまった。 きてしまったのだ。 免許は兄弟が取っているし、親はその兄弟と仲が良い。 取りたいとも思えず何となく生きているこの人生が…どうしようも無く変えたい。 けれど、その為に何をすればいいか……余り分かっていないので行動に移せない。 唯一の趣味であるスマートフォンをウエストポーチから取り出して弄り始めた。 ポチポチと弄る内容は、YouT〇〇〇とか、スマイル動画。 それから定額制の音楽サイト、それとバイトや資格サイトを見て、私の時間がほぼ終わる。 楽しい時間、現実を見なければいけない時間、もういいやと最後はそうなる。 あぁ、何か切っ掛けってなんだろうと思いながらウエストポーチを外して、スマートフォンを持った状態でベットから下りると、ご飯を作るべくキッチンに向かう。 ぐぅぅぅとお腹がなり、非常にピンチだ。 「くぅぅ、お腹空いたよ…何があるかな。」 空腹に耐えながら、冷蔵庫に向かい中を開ける。中に有るのは…卵……と、鳥のひき肉……牛乳……位。 卵と鳥のひき肉に、牛乳かぁと考えると1つのレシピが思い浮かぶ。 よし!と気合いを込めて、卵とひき肉に牛乳を取り出して、キッチンへ。 各種調味料もコンロ下にある棚から取り出して準備はOK。 それにご飯は炊くのが面倒なので電子レンジで温めるタイプもセットオン! さぁさぁ、卵を2つ割り小さな深皿に落とす。 空は流しの捨てる所へポイッ、そこに砂糖大さじ1と半分?、牛乳大さじ1、かき混ぜたらフライパンで炒める。 火は中火辺りでよーく炒める。 それっぽい感じに卵そぼろみたいになったら火を止めて、ホカホカのインスタントご飯をお椀に盛り、その上にふわんと半分盛り付けて…1つ完成。 さぁ、軽くフライパンを洗って拭いて!火をつけて軽く熱したら、登場せよ!鳥のひき肉! もう、全部入れて、醤油大さじ2、砂糖大さじ2、酒とみりん…適当に入れて、あ、生姜のチューブタイプをぐっと入れて、中火で念入りに炒めます。 ちょうどスマートフォンから、カロリーをきにしない曲が流れているので気持ちが少しずつ上がってきてる気がする。 興奮は…しないかな。 お腹の空き具合は高ぶってるけども。 ジュージューと焼けている音も重なって、色もついてきた。匂いもそそられる。 赤い色が無くなり、見た目も全体の色が一緒になったら、お箸で軽く摘んで口元に寄せる。 あぁ、鶏肉のそぼろ。 味見で口を開いて食べると、熱さでほふほふほふほふ。 …んーーー!美味しい!美味しい!の文字が私の頭の中に一杯になる。 にっこりと微笑んでご飯に盛る用と明日食べる用に分けて、後片付けをしてから、いそいそとベットがある部屋に戻って。 一人用のミニテーブルを出す。 足を伸ばして出来上がった卵と鶏肉そぼろご飯を盛りをテーブルに置いて、箸も置いて、手を合わせます。 「美味しいご飯、頂きます。」 食べる前の感謝を口にして、右手に箸、左手でご飯茶碗を持って、先ずは1口、卵から。少し冷めているのではふはふはしなくても大丈夫でした。 あぁ、これこれと言わざる負えない美味しい甘さと卵の美味しさが口に広がり、笑いが止まらなかった。 「んー、んふんふ。」 空腹は最大の調味料とは上手く言うなぁと、思いながら、続いて、鶏肉の方を1口。 こちらはまだ、熱いのでふーふーして、食べる。 あまじょっぱい美味しさに笑いが少し大きくなる。一人暮らしで良かったなぁと思った。 後は、無言で食べる、食べる、食べる。 最後の1粒も食べ終わったら。 「ふーーー…美味しいご飯、ご馳走様でした。」 茶碗も箸も置いて、手を合わせて感謝。満たされると同時に喉が乾いたので。 片付けも兼ねて立ち上がり、キッチンに戻ると…スマートフォンが光っているのに気づきました。 「ん?なんだろう。」 メールが届いていたらしく、流しに茶碗と箸を置いてスマートフォンを持ち画面を見ると白い画面。 こんなの見た事が無い。 不思議な顔で私はその画面を見続けたら、白い画面から浮き出される文字。 その文字は。 『 イキガイヲ ミツケテミマセンカ? 』 の文字で。私は目をこれ以上もなく見開いてその文字を読む。 生き甲斐?…生き甲斐って……なんだろう。 疑問が浮かぶ私に、その画面の文字は。 『 アナタガ モトメルモノ ココニアリマス 』 此処って…私が求める物が、あるって? 訳が分からない。 私は自然にスマートフォンの画面に人差し指を近づけて、その画面に触れる。 壊れているんだろうと思ってした行動は…。 触れた途端に、私はスマートフォンから放つ光が更に強さを増して全身が真っ白になるのが…分かった。 それは、部屋中を白くさせる位に眩しくて…… 途端に意識も……遠くなっていったんだ。 私は…一体、どうなるんだろう…。
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