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集落とお触り体験
何か、温かい…。
何かに包まれているようだ。
何処か安心する…なんだろう…。
俺はゆっくりと目が覚める。
視界がぼんやりしていたのだが、徐々に覚醒してきて土の天井が分かった。
それと、俺の右脇に。
とても大きい体格の上半身裸のオームさんが大仏寝で寝ている。
…俺の思考が飛ぶ。
…だって、だって…こんな、漫画のイラストでしか見た事の無い、大きい大人の男性の上半身に目を瞑りかけたけども…寝てる。
少しだけ、少しだけと、元々のBL欲が湧き出したのか、オームさんの腹を先ず見る。
所々、火傷の跡、切り傷があるんだけど、割れてる。
こう、小窓みたいに、六ヶ所程、割れていて、徐々に上を見ると、胸も大きく割れていて、左胸から背中に続いていると思われる…模様があった。
しかも、胸毛も腹毛も男らしく生えている。
夢じゃない、戦士の身体に、生唾が溢れてごくり飲み込んでしまった。
それに、もう、抑えきれなくて、優しくオームさんの筋肉に自分の片手を当ててしまった。
温かくて、毛の感触も…悪くない。
けど、手が震えてしまって、それ以上、動かす事が出来ずにいたら、俺の頭上から。
「…何、怖がってんだ?ジン。」
「ひぇっ」
だぁぁああ…オームさん、起きてた…。
変な声を出す俺を上から、多分、少し身体をくの字に曲げて、顔を近付けているだろう、オームさんの声が響く。
「……んな声、出して、俺の身体怖いか?」
心做しか、オームさんの身体もさっきより近い気がする。
顔が上げられんし、手の震えもまだおさまらない。
俺は、小さな深呼吸を繰り返して…
「…こわ…怖く…無い…けど…心臓…痛い…。」
もう、無理と言わんばかりにその腹に、俺の顔を隠す形で寄りかかった。
擽ったくて、ギウサ師匠とは違う感触に、心臓辺りが、凄い勢いで動いている気がする。
オームさんは、俺の背中に手を置いたらしく優しく、子供あやす形で何度も、背中を叩いてくれた。
「…ったく、ほんと、可愛い奴だ。」
ぼそっと、呟いたのが聞こえる。顔が物凄く熱い。
「けど、これ以上は、保護者に殺されるから、そろそろ起きようぜ?」
オームさんの提案のお陰で、俺は、小さく頷くと、やっとオームさんから離れて、起き上がる。
着替えがちゃんと、木のハンガーっぽいものに掛けてあり、上を着て、サンダル靴を履く。
オームさんも、布の服と鎧を着て、2人で、部屋を出たんだ。
そこには、洞窟をくり抜いて作られた集落が目に飛び込んでくる。
壁に扉が無数にあり、テラスのでっぱりと階段で下に降りる事が出来るらしく、その下には敷物が敷かれ、色んな品物が並べられている。
更に奥には木の柵で出来た、家畜ゾーンもあって俺の目は輝いたんだ。
「ギウサ達は、下の店の素材売り場の方に居る。先ずは、そっちに行こうぜ。」
俺は、オームさんの言葉に頷くと下に続く階段を降りる。
その道中で、俺が気を失って寝ていた事と、その間に、このドワーフの集落へやってきたらしい。
…あれは、怖すぎて、当分、慣れそうにないなと思いながら、ギウサ師匠が居る素材売り場の店に向かって歩いていった。
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