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クエスト開始
ドワーフの集落から、俺達はドリトルの森の奥へやってきた。
道中の道では、ジャイアントブーの子供を何頭か退治しただけで、難なく目撃証言もある、少し開けた場所に辿り着いたんだ。
「本当にここに居るのか?……静か過ぎる」
リーダーのガッデムの言葉に、皆、顔を見合わせている。
俺も、師匠の顔を見ると、師匠だけは、耳をピクンっ、ピクンっ、動かして周りを確認している様だった。
「……いや、これは……皆!武器を構えるサ!」
師匠が、声を張り上げ武器を構えたんだ。
俺達も遅れて、武器を構えた瞬間、今まで気配の無かった森の影から、無数の子豚位の大きさのある紫色のスモールスパイダーの子供があちらこちらから出てきた。
「ひぃいいいいい!!」
その、数が尋常じゃない。
軽く100匹はいるんじゃないかと言わんばかりに、ウゾッと出てきたのだから、フローとプーロが悲鳴をあげる。無理もないな。
「冗談……じゃないよねぇ」
ロイドの顔も引きつって、冗談で済ませたい気持ちが出ている。俺も、そう思いたかった。
「はっ、冗談とか言ってる場合じゃないだろう!ほら、皆!気をしっかり持て!」
そのガッデムの声で、俺も皆も現実に戻された様だった。そして、円を作る形で武器を構えた。
ガッデムが更に声を上げ。
「必ず、2人1組で、互いの背を守るように動け!俺とフロー!ロイドとプーロ!ギウサとジン!行くぞ!」
ガッデムの指示に、即座に皆が分かれる。
途端に、スモールスパイダーの子供が、一斉に襲いかかって来た。
俺は、師匠の動きについていくべく“身体能力上昇”と“速度上昇”を使い、飛びかかって来たそいつらに向かって槍を、頭目掛け貫いた。
「コギャァア!」
どうやら、俺の速度がスモールスパイダーの子供の速度を上回る事が出来たらしい。
糸を吐かれる前に、頭を潰し、槍を引き抜くと悲鳴をあげて、仰向けに倒れ動かない。
俺の背中から、それ以上に何かが潰れていく音が聞こえて来る。背筋が、ゾクゾクっとするも、俺は、次々に襲いかかるスパイダーの対応で必死だった。
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