そこから。

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そこから。

三日目…四日目…と、俺とギウサの修行は穏やかに、けれど、確実に1歩ずつ進んでいる。 ギウサ曰く、「1歩どころか3歩以上進んでいるサ」と太鼓判を推し始めているが、すこーし気になるも、何かしらは感じていた。 1週間が、すぎた頃に、採取や捜し物の魔法、なるべく気配を消す動き等がプラスされる教えて貰った。 基本的に、茸、毒の抜き方、食べれない茸、他に、硬い椰子の実に似た果物、朝露のお花のお水、それに、ファンタジーならではの‘薬草’だ。 これが、また、楽しくて、綺麗な植物の真ん中に雪の結晶の塊が付いている。 薬草は、目で確認出来る植物。 花やそれ以外だと捜し物の魔法でないと、見分けるのが難しい。 驚いた事に、この森は野菜が自生している。 捜し物魔法…通称‘サーチ’を使っていたら、シャカイモって名前でじゃがいもが、森の草原の地面の中にある事が分かって、ギウサと共に半分程、確保した。 因みに、オイルは、オイル花から、採取して、サラダや軽い炒め物に使うらしい。 揚げ物自体、この世界では、余り発展していないらしく、これを揚げるととても美味しいとギウサに言ったら、物凄く驚き。 「ぜ、是非!今夜のおかずを頼みますサ!」 とても、その料理が食べたいのが分かる素振りに、俺は大笑いしながら、頷いた。 それに、カブみたいな見た目で、味わいはダイコンの、コンドン。 瑞々しい大きめな赤いトメィトゥ、つるんとした薄い黄色のレェモン等、前の世界に似た奴や、そのまんまサイズアップした奴等の食材が見つかる もう、採取が楽しくて、帰る時には、両手いっぱいになって帰る事が多くなった。 それの対策に、茸の家の右隣にもう1つ、茸型の倉庫が出来て、中はクリーム色で、棚と宝箱みたいな食材入れが置いてある。 しかも、この茸倉庫、暑い日は冷やし、寒い時はほんわかとした温度調整も備わっている。 だから、宝箱みたいな所に食材を入れても腐らないのだ。 それに、近くの泉の底にある鉱石や採取した薬草を加工してくれる場所もそこで作ってくれて。 鉱石に関しての知識も授けてくれた。 日に日に、覚える事が増えるものの、それがとても楽しく飽きる事が無い。 それに、果実や野菜を取る時の、気配をなるべく減らす動きは、日に日に、上手くなるのも嬉しかった。 1週間もたつと、近くに蝶々が止まる程度には上手く取れる。 師匠のギウサは、鳥が飛んできても気付かれない、次元が違う域を見せてくれたりした。流石だ。 そんな中、調味料…つまり、塩、砂糖、胡椒が、それぞれ、塩はギウサが海の水を持ってきて、魔法で精錬する。 砂糖は、砂糖の実がなる木、胡椒は花からと、海は分かるが、砂糖の実の木が面白い。 何せ、クルミみたいにシワシワの茶色い小さな実から、石切包丁で切ると、ぶわっと砂糖が出てくる。 胡椒の花は、緑と白があり、緑からは黒の種、白から本当に白い種、それを木のすり鉢ですりすりごりごりさせて、出来上がる。 お陰で、何とか、不格好のハッシュドポテトや皮付きポテトフライが出来て、ギウサの作ってくれるスープと茸炒めともう1つ食卓の茶色の1品が増えた。 初めての、自分所の世界の料理を一口食べて。ギウサの耳がぴーんっと固まり、続いて顔が、ほにゃんと崩れた笑みを浮かばせていたんだ。 「外はカリカリ…中は、ほこほこ…こんな、こんな美味しい食べ方あったなんて、知らなかったサ〜。」 ギウサの耳が嬉しそうに、ピコンピコンと動いて、その日の晩御飯は、お代わりもして2人一緒に満たされた日になった。 しかも、腹がいっぱいすぎて、2人で暫く動けなかった。 けど、1人で食べていたあの頃よりも、幸せが沢山ある。 ギウサは、俺がたまに、寝ずらくて、もぞもぞとベットでもたついていたその時、何も言わず、ベット中に入ってきてくれた。 そして、今日の良かった所を物語みたいにゆっくり話してくれて、反省すべき点も言い聞かせる。 ギウサは、最後に優しく、ぎゅっと抱きしめてくれた。 師匠であり、俺にとっての…お父さん…お母さん…みたいな大切な人になるのに時間は掛からなかった。 こうして、俺は、ギウサからのたっぷりとした愛情と1年目に習得する勉強、体術、その他、色んな事を体験する事が出来た。 この世界の四季は、どうやら、無の月が、1月から4月、常夏の月が、5月から8月、豊秋の月が9月から11月中旬、結晶の月は、11月の終わりから12月までと、季節がある。 春は無いらしい。 けど、無の月は、ある意味、季節が1番安定していた。 俺も10歳から、11歳になり、どの種族の言葉が分かり、140cmの身体が、150cmと伸び、確実に筋肉質で体重も平均体重より、やや重くなった。 これからの、2年目は、どうなるんだろうか。
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