思い出すこと

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私が2時46分と言う時間を覚えているのは、あらゆる場所の時計が その時刻で止まり、 数週間その状態が続いたからだ。 電気がない、時計が止まってると認識していても習慣は恐ろしく、 いつものように時計を眺めてしまう。 3時になる前の、休憩時間の少し前でそわそわしてくる時間だ。 仕事もあと少しで終わり、これからの夜遊びの準備を始める時間だ。 そんな普通の時刻が、あの日から特別な意味を持った。 その1時間後に苦しい思いをした人がいる。 その1週間後に泣き崩れた人がいる。 そして、いまもなおその時間にいなくなってしまった人を探し、苦悩している人がいる。 あの日の2時45分に戻れたら、 あの日の2時47分に戻ったとしたら、 不可能と思っても時間を巻き戻せたら、何かが変わるはずだと、願わずにはいられない。
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