思い出すこと

4/4
前へ
/4ページ
次へ
2時46分ですべてが変わってしまった。 人生のなかで、人それぞれ自分の時計を進めていく。 ゆるゆると、規則的に。 でも、同じ様に時を進められない人もいるだろう。 おかしなことじゃない。 あの日以前とあの日以降で 変わらない日々が訪れている人は 少ない。 変わってほしくないものが変わり、 失われ、 いまだなお喪失の悲しみが続く。 少しでも早く元の生活に、 元の時計に戻せたら 苦労はしないだろう。 悲しいことを心から悲しみ、 恐れていたことを 少しずつ自分から手放し、 自然と時計が進むのを 私は待っていたい。 焦らなくていい あなたがまだあの日に留まっているとしても、 見守っていたい。 まだ3時にはならない。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加