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宝くじは当たらない
年末ジャンボ宝くじは、1200円しか当たらなかったのです。
宝くじなんてお金を捨てるようなもの。1万円稼ぐには時給1000円でも10時間かかります。わたしは10時間も無駄にしたかもしれない…。
゛もう宝くじはやめた。゛
もう買わないと心に決めました。
ある日、テレビで宝くじが当たるかどうかという特番をしていたので、なんとなく見ていました。
10万円分くじを買って、なんと数百万円を当てていたのです。
この番組を見て以来、私は宝くじはもう買わないと決めたにもかかわらず毎月給料日に宝くじを買うようになりました。
最初みたいに1万円も買うことはなく、1000円以内で買えるだけ。
毎月、毎月…。
そして、宝くじを買いはじめてちょうど1年たった頃、なんとくじが当たっていたのです。
゛い、1億円…。゛
「う…、うそだ…。」
「いや、ほ、ほんとだ…。」
宝くじが当たったと回りに言うとすぐにお金は消えていくとどこかで聞いていた私は、両親にも告げず密かに銀行へ行き宝くじを換金したのです。
手続きの間中、私の手は震えていました。
応対していた係りの人も、
「大丈夫ですか?」と気遣ってくれるほどでした。
それでも、大金を手にいれ人生が薔薇色になるだろうと想像した私は、銀行を後にする頃には震えも止まり、嬉しさで顔のしまりがなくなっていました。
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