し・あ・わ・せ

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 実家の母に電話で、 「実は、結婚を前提にお付き合いしたい人ができたので会ってほしいんだけど…。」 と伝えると、 「…。いつの間にそんなことになったの?」 と、一瞬の沈黙の後で母は口を開き、母には彼の事は話していなかったので、突然で母はビックリしたようでした。 独り暮らしをすることになったときでさえ、なかなかオッケーがでなかったのだから、男性とお付き合いだなんてもっての他だと想像できました。 それでも渋々、お互いの家族と顔を会わせることに了承してくれました。 「それじゃ、来週の日曜日ということで。うちに来てね。お母さん。」 大山くんのご両親は、とてもよろこんでくれたそうです。 結婚の報告ではなく、結婚を前提にお付き合いするだけなのに、大袈裟にしすぎただろうか?  さあ、緊張の日曜日。 約束の時間は11時でしたが、お互いの両親は30分前にアパートの前に到着していました。 大人だけあって、どちらの両親も私たちが紹介することもなく声をかけあい、両親同士の挨拶はほどなく終わっていました。 ピンポーン! ピンポーン! 私の部屋と彼の部屋のインターホンが鳴る。 「お父さんお母さん、今日はありがとう。」 「部屋に来るのは引っ越し以来ね。」母は部屋をぐるぐると見回しました。 「けっこうきれいにしてるじゃない。」母は安心したようでした。 「和子は昔から家事は得意だよな。お母さんと一緒に楽しそうにやってたじゃないか。」と父がフォローする。
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