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「そういえば、彼のご両親に外であったよ。とても丁寧な方たちだよ。」と父が言いました。
「えっ?もう会ったの? 私まだ会ったことがないのよ。」
昨日の夜から緊張していた上にプレッシャーがかかる。
そうこうしていると、大山くんが私の部屋へやって来ました。
「佐山さん、そろそろいいかな?僕の部屋へどうぞ。」
私たちは彼の部屋へ呼ばれ、ゾロゾロと入っていきました。
「先程はどうも…。」
アパートの前ですでに挨拶を済ませていた両親たちは、もう打ち解けていました。
総勢6人。単身者用の部屋なので、ちょっと窮屈です。
「僕は、大山信也です。これからよろしくお願いします。」
「私が佐山和子です。どうぞよろしくお願いします。」
「これから結婚を前提にお付き合いさせていただきたく、ご報告致します。」なんて、大山くんが緊張しながら挨拶。
「こちらこそよろしくお願いします。ふつつかな娘ですが、うちの子でよろしいんですか?」
と父が返事をする。
「全然ふつつかじゃありません。和子さんは最高です!」
と大山くんが言ったもんだから、お互いの両親は大爆笑でした。
この雰囲気に私の緊張もほぐれ、近くのファミリーレストランに移動してみんなで昼食をとる頃には、すっかり大山くんの両親とも打ち解けていました。
「結婚式はいつかな?」
と大山くんの父親は私をからかい、母親にたしなめられていました。
緊張していたけど、しあわせな一日がすぎていき、ファミリーレストランで解散の後、大山くんと私はアパートまでゆっくりと手をつないで歩きました。
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