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二十歳 はたち
私が二十歳になった記念に、宝くじを買うことにしました。
ちょうど年末ジャンボたからくじを売っていたので、思いきって1万円で買えるだけ買いました。全部で33枚、お釣りが100円。
買った後ずっと、宝くじはそのままカバンの中にありました。
自分で買ったわりに、たぶん当たりはしないだろうと思っている自分がいて、放っておいたのだと思います。
クリスマスが過ぎるとすぐに年を越し、あっというまに新年になり…。
楽しみにしていた年賀状が届きました。
「わー、美代ちゃんもう結婚したんだ。ビックリ!」
独り言を言いながら、友人の近況報告に懐かしさがそっと寄り添ってきました。
ふと、年賀状にお年玉のくじがついているのをみて、年末ジャンボ宝くじの事を思いだしました。
カバンの中をゴソゴソとひっくり返し、底の方から33枚の宝くじを取り出しました。
「新聞新聞!」
年末に抽選のあった宝くじの当選番号が、新聞にのっているはず…。
運良く、末当が4つ当たっていました。
「1200円当たった!」
と私が言うと横から母親が、
「どうせ一番下の当たりでしょ?宝くじなんてなかなか当たらないものよ。」
と言いました。
そうです、なかなか宝くじは当たらないのです。
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