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「え、どういうこと?」
ハルの言葉に違和感を覚えた彩花は瞬く。
「ミオは犬と人間のハーフだ。だけど元々犬だった。転生者なんだよ」
ハルの説明に首をかしげる。
「もう少し分かりやすくお願いします」
「犬が死んでしまったあと魂が魔法使いの国の獣人に宿ったんだ。そのまま獣人は人間と結ばれてミオを生んだ。彼女は俺と会うまで人間に酷く扱われていたからね。人間不振の状態なんだ」
「そんな、ミオが私の飼っていた犬と同じだなんてなんで分かるんですか!」
「それが魔術師だよ」
「魔法使いと魔術師に違いなんてあるんですか? よくわからないけれど」
「少なくても魔法使いの国では明確に違う扱いをされている。魔術師には転生前と転生後の姿が見えるんだ。魂もね。魔法使いはスカイのように魔法が扱えるだけで魂を見ることができない」
「そもそも、魔法使いって女限定じゃないの?」
彩花は聞いたこともない理論に追い付けずにいた。それと同時にこの場所が地球ではないのだとゆっくり理解していった。
「子孫を残せなくなるだろ。男が生まれると女の魔法使いは必死で存在を隠すんだ。生まれた子供を殺せないからね、それに子孫を残すということは自然に男が必要だと言うことになる」
「それはそうだけれど」
「その他にも血統や種族がらみのあれこれもあるんだけど。詳しくきくかい?」
ハルが笑った。
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