生きているのに、生きている

　夕射す教室でひとり少女が話している。
「有機的展開、構造不理解、ホメオスタシスの連続、不安定な心的組成、突発性閉塞、都市化コンバーター、ライオンとトリ、落下、溺愛、遭難、夢をみる、アイソメトリックザナドゥ、川端康成、連立、法廷、心技体、心的ラジエーター、潮騒の熱帯雨林、昏昏とした…」
「つまり？」
スマホから別の少女の気怠そうな声。
「生きているのに、生きている」
「めんどくせーんだよ！さっさと告れ！」
「微少の…」
「うるせー！」