セクハラ?モラハラ?パニック症

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セクハラ?モラハラ?パニック症

"セクハラ・パワハラ" 現代でも馴染みの多い言葉ですね。 あまり馴染んで欲しくなかったですが… 皆さんこんにちわ。 メンタルビジネスコンサルタントのミミ子です。 最近はご一緒にご依頼者の相談を聞いてくれる方も多くて嬉しいです。 是非、貴方ならどう思うかをコメントしてみてくださいね。 私からお返事致しますから。 さて、 今日は2時間のご依頼者様がいらっしゃいます。 恵比寿の3×3 DINING LOUNGE(サザン ダイニング ラウンジ)でのお約束をしております。 時間は14:00〜16:00です。 今の時刻は…13:05と… そろそろ出てその辺をふらつきがてら行きましょうか。 パソコンとペンとノートは持ちました。 大丈夫です。 貴方は?忘れ物ないですか? では行きましょう。 恵比寿駅前は水曜日だというのに 平日でも人が大勢いますね。 今日は天気もいいですし良かったです。 本日は 東京都に住む 里子(サトコ) 23歳 OL さんとの相談契約日です。 今日が初回なのでまだはっきりとどんな方かは 分かりませんが、 プロフィールの書き方。簡易でもとても丁寧ですからきっと真面目な方なんだと思います。 大体の人が、空白欄をつくるのに里子さんは、 全て埋めてくださいました。 (空白ができてる場合は契約初日に話の中で聞いて私が記入していきます。) そんなこんな話をしてたら もうお店に着いてしまいましたね 笑 30分も早いですね。まぁすこし待ちましょう…… ー…ミミ子さんですか? 「あら。里子さん?随分早いですね!」 ーいつもの癖で 笑 お店もう入っちゃいましょうか 。 「そうですね。お日様も暑いし入りましょう」 ー私、店員さんに入れてもらえるか聞いてみます!一応予約が14:00からなので。。。! 「すいません。よろしくお願いします。」 ミミ子は里子に微笑んだ。 ー大丈夫だそうです♫ 中行きましょうか。 「ありがとうございます。はい。」 店内は静かなムードで席はくつろげるソファタイプだ。半個室で話すにはもってこいなステキなカフェだった。 「体調とか大丈夫ですか?えっと、プロフィールの備考欄に持病があると書かれてたので。」 ーあ、、今は大丈夫です。 「良かったです。あ、私はカフェオレで」 ー私はストレートティーで。 おしぼりを持ってきた店員さんは軽く二人の顔を見て微笑んだ。 「今日はお仕事は午前で終わりですか?」 ーあ…実は4ヶ月前から休んでいて…今は休職手続きをすすめてます。 「そうなんですね。それは持病のせい…なのかな?」 ーあ、いやその…持病とは言ったんですけど…その…5ヶ月前からパニック症になってしまって。生活するのも苦しくて… 「それは、大変でしたね。実は私もパニック症経験者です 。」 ーあ!そうなんですか!私の母とかもなったことがあって…やっぱり身近なものなんですね。 「私は発症時、本当に疲れていたんだと思います…。 里子さんは何か悩みがおありでしたか?」 ー…はい。実は入社してからずっと上司にセクハラをされてて。ずっと耐えてきてたんですけど、限界でした。。 「セクハラ…なるほど。話せる範囲で構いませんから、おはなし出来るだけ話してもらえますか? 差し支えなければ私にどう聞いてほしいか教えてもらえますか?」 ー…どう…あ…私は正しかったのか聞きたいです。 「なるほど…分かりました。その上司の方はどんな方でした…?」 ー 私はその人を信頼し尊敬してました。 仕事も出来て本当に頭の良い人なんです。 年齢は50代前半。既婚者で子供も二人います。 よく、娘さんの誕生日のプレゼントとか意見を求められたり、入社当時も周りの子達に比べたら私を特別可愛がってくれてたんです。 よく褒めてくださってたし私も嬉しくて、仕事を頑張ってました。 けど、 飲み会にも多く誘われてました。 「飲み会…。」 ー私は人に気を使良すぎる性格なので、 予定があっても上司に誘われる飲み会を優先して、当時付き合ってた彼氏との約束も断ったりしてました。 そんな風に過ごす中で段々と上司の態度が変わっていったんです。 よく考えれば、私の中で少しずつ感覚が今までと変わっていたのかもしれません。 「感覚麻痺ですか?」 ーはい。休んでいる今になって分かったというか気づいたんですが、その職場少し変なんです。少しというか曖昧な表現なんですけど聞く人みんな、えってなります。 「なるほど。それはなんか雰囲気とかですか?」 ー雰囲気もそうですね。 その上司の言うことは絶対とほかの職員全員が意識してる感じでした。そのせいで私はこうなったんじゃないかって思ってます。 その上司は怒りやすい人でもあって常に電話で取引先や協力会社の人と揉めてました。 所内には罵声が響き、それが怖くてやめる女性もいました。 そして決定的なのがその上司のセクハラです。 お尻や肩を触るのは当たり前で、 周りの人もそれを見ても何も言わない、言っちゃいけない。そんな雰囲気なんです。 「組織的な行為ですね。。」 ー私も最初は、ん?と思ったんですが頑張らなきゃと思うあまり気づいたらそれに慣れてしまっていました。 仕方ないとも思ってましたし。 けど、私が苦しくなっていったのはその上司からの束縛的な行為を受けてからです。 飲み会の席はその上司の横に座らなきゃならない。メッセージにはすぐ返信をする。社内の誰かに飲み会に誘われたらその上司の許可をとる。などと応接室に呼ばれて二人きりの時に言われたんです。 「上司とのルールみたいなものですか?」 ーはい。 ルールです。 それからというもの、土日などの休みにも頻繁に連絡が来て、"誰といるんだ?""セックスしてるのか?""俺のいないところで楽しんでるんだろ""嘘つき"などとありもしないことを、 つらつらと言われるようになり、 仕事中も常に見られている感じでした。 他の男性の職員と話をしてると、その男性はその上司からいじめられるようにもなったんです。 「それは…。」 ー案の定、私と関わる人はいなくなりました。 仕事の話もできなくなり、私はその上司のためだけにそこにいる。そんな雰囲気になっていたんです。 「酷いですね…。」 ーそんな風になりはじめて私は時折、涙が止まらなくなったり、食べれなくなったりしたんです。 そして、私はある時、また上司に呼ばれ、メッセージに返信しなかった事を酷く責められました。 "お前を雇ってやったのは俺だ。俺のためになんで言うことを守れないんだ。職場を変えても良いんだぞ。変えたらお前はそこにいられなくなるぞ!!!!" そう言われて私は崩れるように泣いたんです。 私はその人を本当信頼していましたから。 私はメッセージも常に返していました。 けどその前日の飲み会終わりに上司に無理矢理、ラブホテルに連れてかれそうになったんです。 人気のないビル街で、深夜に。 怖かったんです。上司といえど他人。 彼氏もいる。 けどこの上司に逆らえば私は…… 抵抗してる中無理矢理キスされました。 生暖かく絡むように腕を押さえつけられて。 気づいた時には、泣きながら走ってました。 駅に向かって。後ろを振り返らず全力で。 「…。」 ーこれが社会なのかと。 私は走ってる時色々過去を思い出したんです。 祖父が建設業で働いててそれがとても素敵で私の夢でした。だから建設業に入ったんだったな…とか。勉強も沢山したな…とか。 働けると分かった時、嬉しかったな…とか。 私は駅に着くと立てなくなってました。 どうにもならない感情が名前のつけられないようなそんな感情が私を荒らしていました。 その日は彼が車で迎えに来てくれて、 車でも泣きました。 彼はもう何も考えなくていいから…と、 優しく左手で私と手を強く握ってくれました。 ミミ子は深く頷いた。 ーそんなことがあった次の日ですから、 私も我慢の限界でした。 泣きながら上司に言ったんです。 貴方の大事なものはなんですか?と 私は自分ですと。 私は貴方を信頼していたのに壊したのは貴方だ!貴方の家族にも全て伝えてやる!!と ヒステリックに叫んだんです。 泣きながら応接室を出て自分の席に着く時、 ふと周りの人達に目をやると、 泣いてる人が数人いたんです。 みんなも同じように限界だったんですよその人に。 よく言ってくれたとは言いませんが みんな私を責めることはありませんでした。 まぁ、、味方もしてくれなかった人達ですけど。。 「よく言えましたね。凄い。」 ーその日から私は仕事に行くのをやめました。 信頼していた男性や女性も数人いたので病欠に今はしてもらってますが、もう少しで休職として扱えそうで。 彼から言われたんです。 里子はずっと異常なまでに自分を殺してるようだったって。無理して飲み会で食べて飲んだ日は夜通し吐き続けてましたしメッセージの着信音が鳴るたび、目がキョロキョロして動揺しながら返事を打っていたと。 今はだいぶ良くなりましたが、まだ電車とかにも乗れず、外食もできません。 「お話ししてくれてありがとう。 里子さんが一生懸命でまっすぐな人だって心底思いました。 里子さんは本当に真面目な方ですね。」 ーそうですか? 「ええ。今日初めてお会いする時、その前にメールをもらった文面からずっとそう思っていました。気の利く優しく方で仕事もよくできる人なんだろうなと。」 ーえへへ。嬉しい。 「里子さんが言ったこと、全て正しいと私は思います。 里子さんが彼氏さんに異常だと言われた行動も全て正しいことだったと思います。 過去全て里子さんなんですもの。 里子さんの性格や常に心がけていること全てがしっかりと行えていたと思いますよ。」 里子は目から涙を流した。 「里子さんは何も悪くありません。 その上司の言動がいけなかったんです。 里子さんは自分の力で切り開けたんですよ。 凄い事です。今仕事を休んでいるのも、 里子さん、きっとよく思ってないでしょう? 私はダメだ。働いてないダメな人間だ。って」 里子はおしぼりで目を抑え頷いた。 「いいんですよ。みんな自分の弱いところ弱い過去を隠して里子さんに話してないだけです。 みーんな逃げたりしてます。休んだりもします。遊びまわったりもします。言わないだけなんです。だから里子さんも今はそのままでいいんです。 必ずその障がいは治ります。 思い込みとも言われますよねパニック症って。 今は思っても仕方ないんですよ。 ゆっくりでいいんです。辛かったら叫んでも怒ってもいいんです。自然なことです。」 ーみんながわたしを嫌いになるかもしれませんよ。 「私は嫌いになりません。 私と出会ったのはそういうことです。 里子さんは私を見つけて連絡をくれました。 里子さんが選んだ事です。 私は貴方を嫌いになんて一生なりませんよ。」 里子は大粒の涙を流しながらミミ子を見た。 ー私が不安な時にはミミ子さんは話を聞いてくれますか? 「ええ。里子さんと会って私は里子さんのためにもいつでも対応できるようにしようと思えました。ありがとう里子さん。 里子さんのように悩む人はいっぱいいます。 そんな人も見つけてあげたいとも思いました。 これだけ言いたいのですが、 みんな人間です。気持ちや考えがあります。 だからすぐに対応できない時もあります。 そんな時はお腹が痛くてトイレにいるのかもしれないと思ってストレートティーをホットでカップ一杯飲んで待っててください。 必ずその一杯を飲み終わるまでにお返事をします。約束します。」 ーそう言ってもらえるだけでも嬉しい。 ありがとうミミ子さん。 「いえいえ。私も真っ直ぐに伝えてみました。」 ミミ子は里子の手を強く握った。 ーはぁ。なんかスッキリした。 久しぶりなんです。カフェに入ったの。 いつもドキドキして苦しくなって、 お店の前でやめてしまってたのに。 今日はストレートティーも飲んで2時間もいれた。嬉しい。 「それはすごい。とっても良い時間を過ごせましたね。私もこんなオシャレなところに来れて良かった。」 ミミ子はパソコンとノートをカバンにしまい、 里子の左手を持った。 「里子さんは今日はこれから帰るだけ?」 ーはいそうです。 「じゃあいいですね。」 ミミ子は里子の左手の手のひらにハートを書いた。 「今日も里子さんは頑張りました。 だからハートをあげます。必ず回復していきますからね。」 ミミ子はにっこり笑いペンをカバンにしまった。 ーありがとう。ミミ子さん…! 里子は涙をたくさん流した目でにっこりと笑った。 二人はお会計を済ませて外へ出た。 「おうちはこの近くですか?」 ーええ。実家がすぐそこなので! 「あら。素敵ですね。でわまた連絡ください。いつでも待ってますからね。」 里子はにっこり笑いお辞儀をして帰っていった。 今日のメモ 上司の人はきっと里子を好んでいたんだとおもう。 口には出さなかったがとても不器用な人だと感じた。 里子さんはきっとその人の本心を見抜きわざと傷つけるように最後言い放ったのではないかと思う。里子さんは頭のいい人だし、きっとこの先裁判にでもするのではないかと思う。 しかし、それにしても男の人は本当に、 言葉にできないほど単純な生き物だなぁ… 17:00 ミミ子事務所着 今日は長く話して少し眠くなるのが早いですね。もう眠いです私。 一緒に話を聞いてくれてありがとうございました。 本当に素敵な女性でしたね。 明日は男性の契約者さんとのFaceTimeでの契約日ですから、 ご一緒できるようならまたお願いしますね。 でわ、また。
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