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「優馬、なんだよ? お前も午後のティータイムに目覚めたのか」
俺が尋ねて、再び紅茶を口へ運ぶと、優馬は俺の肩に手を回し、俺の顔を覗き込んだ。
「おっ? しらばっくれる気か? お前、前に彼女ができてしかも同居中とか言ってたよなあ。今日でもご挨拶に伺いたいんだが」
俺は危うく紅茶を吹き出すところだった。
「いや、今日は無理だ」
「前もそう言ってはぐらかしたよなあ、じゃあ、写真だけでも」
「それもだめだ」
「なんでだよ、写真ぐらいいいだろ」
「いいや、だめだ……おっと、そろそろバイトの時間だ、じゃあな」
俺はそう言って強引に優馬を振り切ってその場を脱した。
だが、やはり俺の彼女はなるべく、人に合わせないようにしたい。彼女の容姿は、そのまま秘密に直結しかねないのだ。
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