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「な、なあ、夏夜。お前の秘密、あいつにだけ教えてもいいか?」
「……うん、まああの人にだけなら。でも大丈夫なの? 少しでも公に知られたら、私はここにはいられなくなるよ」
「ああ、わかっている。あいつは、昔何やらいやな経験をしたらしく、人の秘密は決して他人には言わない。それより、今あいつに謎を教えてやらないと、パニックを起こして、大変なことになるかもしれない」
「そっか、じゃあ、良いよ。颯太が信じられる人なら、私も信じるもんね」
「そうか、すまないな」
俺は、一応夏夜の了承を得たところで、優馬を呼んだ。とりあえず初対面の二人だ。俺はまず自己紹介をさせた。
「ど、どうも初めまして。夏宮 優馬です。よろしく」
さすがに、普段、人にぐいぐい行く優馬でも、夏夜の容姿と雰囲気には負けるようだった。
「こちらこそ初めまして。私はミリーナ・エルク・レースです」
「はい⁉ なんて言った?」
優馬が思わず身を乗り出した。まあ、無理もないだろう。彼女の本名はそれに値するのに十分不思議なものだ。
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