~Ⅰ秘密持ちの彼女~

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 俺はとりあえず自宅に彼女を連れ帰った。彼女を公の機関に突き出せば、どうなるか知れたものではない。少なくとも、彼女とは別れなければならないだろう。俺はともに過ごす中で、それが嫌になっていた。彼女と別れたくはなかった。  俺たちは、そんなことで出会ったわけだが、いずれ魅かれあい、今は彼女として同居している。  俺がひとまず語ってみたわけだが、優馬は半信半疑であった。そこで俺たちは、証拠を提示した。  その証拠とは、俺たちが公園に来た目的でもあった。ミリーナは、体内に特殊な装置を持っており、それを使って毎夜、元いた星との交信を試みているのだ。  そもそも、彼女が宇宙を飛行していた理由がこれまた何とも言えないのだ。彼女には、兄弟がいるらしいのだが、つまるところ、菓子が発端の兄弟喧嘩がもとで、家を飛び出し、宇宙飛行艇の免許を持っていたミリーナは、勢いで宇宙にまで飛び出していじけていたというのだ。  彼女は、はちゃめちゃで、おてんばなところがあり、まあ、彼女ならいかにもやりそうなことだ。
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