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攻撃
「ゴトッ!!」凱之「誰だ!」曾井「誰かに聞かれたのか……!?」
しかしそこに人影がなかった。凱之「気のせいか……?」
大樹「ちぇっあいつ一人のわがままで快楽を奪われてたまるか!
きっと阻止してやる!」そして大樹は曾井の行動を付け狙うことになる。
大樹は大の女性好きであった。いわゆる女たらしだ。泣かせた女性も幾人かいる。そんな男だ。
後日、大樹は曾井の実験室からパソコンの履歴を調べる。しかし、データは削除されていた。そこで、復刻ソフトによりどうにか履歴を幾分復活させることができた。すると、「なんだ!あいつ、こんな遺伝子操作を始めていやがったんだ。どこまで作り上げてんだ?ちっ、この後のデータは壊れてるのか
クソッ」分かった情報がここまでだった。
凱之「そこにいるのは大樹か!」大樹「あっあ~」「何か探し物か?」大樹「なんだよ、そんなことお前に関係ないだろ!」
凱之「今、曾井が使ってた部屋なんだ、偶然だよな~悪いな余計な詮索してしまったか気にしないでくれ」大樹「なんだよ忙しいんだ行くぜ!」
凱之は気がかりでもあった「今、曾井が帰った後だったよな?なぜ同じ部屋から?やはり偶然なのか……?」
曾井は実験室では研究に支障があるために、ある程度の研究材料をまとめることにした。それには実験用のハツカネズミと器具だけでも十分なのだ。
問題は遺伝子抽出データと自分の知恵知識に任せられていた。そして曾井は発見した。水痘、麻疹、エボラ出血熱にも疑いがある強力な空気感染のメカニズムであった。
そのデータをもとに、病原菌を運ぶシステムをこの性欲破滅酵素を空気感染に仕組んだ構造を開発することにめどがついた。曾井「よし、もう完成まじかだ!そして、蚊が人の血液から破壊ウイルスに感染をすれば、莫大な感染力も期待できるぞ」
しかし、大樹は曾井のウイルスを復元データから幾分理解していた。そのため阻止すべく、破壊ウイルスを作成することとなる。
「快楽をなくすなど勝手な真似はさせないからな!」
しかし、曾井は性欲撲滅ウイルスに対する攻撃のことはすでに予測してることだった。そのため、ウイルス自身が攻撃に対しての耐性と変異を持たせる仕組みに取り掛かっていたのだ。曾井の気持ちは生半可なものではなかった。毎日流れる性犯罪への失望、何より恋人への敵討ちとしての人生をかけたものであった。
いずれ人間は死ぬ、死すまでに何をするべきかそれが大事であったのだ。悩みは、今、捕まるわけにはいかなかった…それが重要だった。曾井は身を隠すことにした。研究成果はすでに完成まじかだった。曾井が成し遂げるか、捕まるかは運次第である。
曽井の父は、曽井の部屋で細菌兵器、遺伝子などの書物、実験用の器具を見つけていたのだ。それで、日ごろから不審に思っていた。「まさか細菌兵器を作ろうと……」
曽井が家に帰ってきた。
曽井は防護服をカバンに入れてあったが中身を探っていると父が突然現れる。曽井の父「お前、なにやってんだそれはなんだ?」
曽井「なんだよ突然、ほっといてくれ!」
父「これは、ウイルス作成の用具とかじゃないのか?」
曽井「何言ってんだ!おかしなこと言うなよ!」
しかし、父は感づいていた。
父「やめるんだ!これはお前のことを思って言ってるんだぞ!お前は、いったい…。」
曽井「わかってないようだな、いいさ、しかし、これは社会のためにしてることなんだよ!それは、性犯罪から世界を救いたいんだよ父さん!だから、絶対やめることはできないんだ!わかってくれ!」
父「そうか、よく聞け!お前の命をかけてまで信じたことに責任を取るなら好きなようにしろ!お前の人生だ、お前には世の中を救いたいという強い意志が確かにあるかもしれない、だがそれが功を奏すか、はては甲斐も無いかはお前の運命だ。だが、世の中に迷惑だけはかけるなよ!」
曽井は家を飛び出す。
母「お父さんあの子いったい」
父「いや心配はするな、あいつのことだ、あの子を信じている、なにも法律だけがすべて正しわけでもないのだから、それを正し世の中を変えようと頑張ってるんだろう……。」
父には曽井の正義感があることはわかっていたのだ。それで、強い意志を確かめたかったのである。
その日から曾井は一人暮らしを始めることとした。曾井はテレワークでコーダーを開始した。曾井独り身だと十分に食べていけるだけの稼ぎにはなった。
一方、凱之は曾井の意思を実現させる気持ちに固まっていたのだ。曾井に手助けをすることに決めていた。そして凱之は、曾井に会うことにした。
凱之「おい、曾井」曾井「 凱之なんだ」 凱之「俺は、君を助けたい、そして君の気持ちがよくわかる。決して今のままでは性犯罪は止むこともなく、犯罪者の悪の遺伝子が受け継がれるだけだ。そんな繰り返しはこれ以上は許されない!おまえを信じてる!」
曾井「なんだお前、本当に俺の気持ちを理解してくれるのか!それなら心強い、俺たちで成し遂げようじゃないか!」
凱之「ところで、曾井、メタバースが普及した時代だ、脳はVR空間へ完全に移行させて理想女性で満足させる方法にすればどうなんだ?ただし、生身の体を持つ人類を実世界からは隔離させないと意味がない。しかしまだ可能性があるかどうかの段階だし完全に脳を移行など、実現はまだなんだよな。
次に、問題視もありあまり勧められない感じだが、もしクローンに意志があるなら反対だがクローンで理想女性を作るとか……。可能だろうしかし現実的でもないようだ。得策を考え実行しないと、こんな淫らな世界なんて虫唾が走るよ……。」
曾井「確かにその方法も考えとしてはあるかもしれないな。ただ、性のためだけに人類の脳を完全にVRに閉じ込めるってのはあまりに突飛押し過ぎでどうなんだろう……。そして、クローンだが、たとえクローンがあったとしても生身の女性を求める犯罪はなくならない気がするんだ。
セクサロイドがまだ現実的だと思うよ。卵子もアンドロイド体内に作成可能なんだ。もちろん、反対意見も多いはずだ。男性だけが子供を育てるのか、子供の母はセクサロイドだって事にも気がつく。その子供は何を思うのか?そのロボットの産んだ子供は人間扱いされるのかなどとな。しかし、性犯罪抑止にはきっと世に出るんじゃないかな?それでも、性欲があることに変わりはない。生身の女性がいる以上犠牲者は出てしまうさ……」
凱之「そうかそうだよな。現実的には、性欲だけをなくすウイルスと、人工生殖細胞による人類繁栄が得策なのかもしれない……」
これで曾井と凱之は二人三脚となる。
曾井と凱之はある島に隠れた。そこには以前から用意していた研究小屋があった。すでに完成まじかのウイルスは保管してあった。完成後は、空気感染させるために、肺に性欲撲滅ウイルスを運ぶ方法を探っていた。
一方、大樹は警察に曾井のウイルス情報を漏らしたのだ。
そして――
警察「ハイこちら捜査係」
大樹「実は、生物兵器拡散を企む男を知っています!それは曾井という同じ大学生の奴です!」
刑事「え?一体どういうことですかそれはほんとですか?あなたのお名前は?」
だが、匿名を要求と言い残し電話は途切れた。大樹は公衆電話からかけていた。詳しいことをまだいえなかった。それには対抗するウイルス開発に支障を来したくはなかったからだ。
多部刑事「今の電話はほんとうですか?いたずらじゃないんですか?」
橋塚警部「あぁ、それもありうるが、一体何のことかをまずは曾井という奴を当たってみてくれ」
刑事は電話の示す曾井のアパートに職務質問に行った。そこでは単なるイタズラだろうという話に終わった。
曾井「なぜ、一体誰が俺のウイルスを知ったんだ?そうか、あのときの気配は…そいつが邪魔に入ったのかもしれない……。」
通報で任意であるために、刑事は事件には扱えなかった。だがその後、曾井の生物兵器としての作成に関わる状況が大樹の匿名添付メールなど、遺伝子組換え作成の事細かな情報に、刑事も嘘として判断するのは危険だと確信した。
多部刑事は大学に出かけ――
「お尋ねしますが、曾井さんをご存じでしょうか?」
学生「はい、うちの仲間ですが何か?」
刑事「いや、何かおかしな点があったら教えていただければと……。」
学生「うん、確かにいつも曾井は一人で何か研究してたのをみんなも知っていますよ。それが何かは分かりませんが……。」
多部刑事「そうですか、十分です、ありがとうございました」
学生「あいつ、やっぱり何かやらかしたのか?」
警視庁は、聞き取りから、添付に示す行動と一致することを知り、
重要な証拠として危機的な事態へと予測できるに十分であったため、緊急的に裁判所から捜査令状許可が下った。
主犯が曾井、ウイルス作成の協力に関わった凱之、この二人の犯行直前だと正式にNSC(国家安全保障局)に報告。そしてついに犯人確保へと動くことになる。
曾井には秘密がなくなってしまった。それは生物兵器による疑いで国家犯罪容疑としてマークされるにいたるのである。曾井は自分の周辺で見知らぬ人物の視線を常に感じていた。そのことにショックを受けた。しかしそれは自分が犯罪者として捕まることではなかった。捕まることは覚悟の上だし、自分一人のことはどうでもいいことなのだ。ただ、凱之のことが気がかりだった……。
一方、大樹は曾井を探していた。「クソ!あいつ、いったいどこに雲隠れした!」
すでに世界の特殊部隊は曾井を重要手配犯としてマークしていた。果たして曾井たちが成し遂げられるのか、それは今の段階では危機的状況としか言えなかった。
しかし、すでにある島の研究小屋では、曾井と凱之とによる性欲撲滅ウイルスへ空気感染DNAの組み込みは最終段階を迎えていた。
凱之「曾井、もうすぐで完成だな!これで吐き気を催す性犯罪はきっと世の中から消滅するぞ!」」曾井「ああ!きっとな」
凱之は、曾井の性欲撲滅ウイルスにかける大きな意味を持つと考えたのは、凱之自身、障害者施設の訪問とその活動を調査するチームがあった。その時、性の解消に障害者たちの並々ならぬ苦労を知っていたからである。まるで性は、障害者たちをダメ押しとばかりに苦しめるその、やるせなさが許せなかったのだ。
そして凱之自身、勉学に励むとき、メディアでの性的画像など、刺激がとても邪魔だと思っていた。「俺自身、望んで性欲を持ったわけでもなく、快楽ということ自体に強制的に縛られることに膨大な時間と性犯罪への危険を常に持ち合わせ闘わないといけないばかばかしさが許せなかったんだ。こんなものいらない!悪魔?神?による操り人形のような人生に俺はその主を恨んだ」
その時曾井たちは、「やったぞ!凱之、ウイルスベクターを唾液に浸透できることに成功だ!空気感染構築に成功したぞ! これで、粘膜に浸透しウイルスによって、遺伝子が人々に感染し複製と転写で性欲が遮断された体へと人は変化するんだ!」 凱之「ほんとうか!やったな曾井!これで、悪魔に変貌する性欲のない世界が来るんだな!」
このウイルスは人類が滅びることは前提である。人類が栄えることの意味。実は誰かによって人類を食い止めるのも狙いだったともいえるのだ。人工授精だけの世界も考えられる。性欲を人間が発しなくとも遺伝子工学によって人類の誕生は可能になることもありえる。そのため、人を惑わす麻薬的快楽である性欲は必要などない。その考えは正解だと信じる者が現れたにすぎないのである。
一方大樹は。「やった!よーしこれであいつのウイルスは自滅するぞ」大樹は自滅ウイルスベクターの作成に成功した。テストステロンにホルモンを発散するよう、免疫を作成したのである。それを拡散すべく曾井の目星がついた島の研究小屋へと急ぐ大樹だった。
そしてNSCはついに曾井の研究小屋へたどり着いたのだ。
「よーしみんな、一気に曾井の研究室へ突入しろ!そして犯人どもを確保し、データ確保とウイルスを焼却するんだ!」そして突入するも、察知した曾井と凱之はすでにデータとウイルスを持ってボートで脱出した後であった。
NSC「うっ、しまった、一足遅かったか まずいぞ緊急配備だ、急ぐんだ!」
そして、曾井と凱之は完成した性欲撲滅ウイルスを、凱之の案によりドローンに噴霧する装置に組み込み拡散した。すでにウイルスはばらまかれたのだ。大樹の作成した免疫ウイルスベクターは同じく島近くの場所から偶然だが凱之と同じ方法でドローンを使って噴霧した。
時は流れた。性欲撲滅ウイルスは浸透していったのだ。 しかし、感染は見られなかった。
曾井「なぜだ……?今頃は感染する人が出てもおかしくないはず…いったい何がいけなかったんだ……?
待てよそうか、誰かのウイルス攻撃が加わったってことか! そうだ焦るな、本領発揮はこれからだ……。」曾井は理解していた。
そして凱之は。「なぜなんだ?ま、まさか、あの時…あいつか?大樹の仕業か?!」大樹が邪魔をする行動が検討にあったのだ。実に一時的にはウイルスを食い止めることに成功する。が、曾井の予見通り、耐性と変異の威力が発揮されたのだ。
その後、時がたち、その発達するウイルスが力を見せることとなる。研究島付近から人々に感染したのである。性欲減退を訴える人々は広まっていった。社会問題となり対策を検討しているが、大樹の破壊ウイルスは一時は破壊に成功したのだが耐性を持つ曾井のウイルスは確かに復活し衰えることはなかった。
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