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ここは、とある山林に囲まれた、豊かな自然が残る田舎の幼稚園。
午前8時。
「遅刻しないように、ママに言っておいて良かった!だって、幼稚園が始まる8時に来るんだもん!
「早く来ないかなあ?」
通園してきた直ぐ、園児達は並んで園内の遊び場にやって来る『誰か』を待ち続けた。
ちょろちょろちょろちょろちょろ。
「あーーーっ!!」
「来たーー!!」
「リスさーーんだー!!」「リスさーーん!!」「リスさんこっちおいで!!」
遊び場にやって来たのは、1匹の子リスだった。
子リスのリッタは、ワイワイと歓声をあげる園児達の間をチョロチョロと縫って幼稚園内を駆け巡ったり、園児の肩に乗ったりして愛想を振り撒いて再び山へ戻っていった。
午前9時になった。
めぇ~~~~。
「ヤギだーー!!」
「ヤギさんがやって来たーー!!」
「ヤギさーーん!こっち来てーー!!」
近くの牧場で放し飼いされている、子ヤギが幼稚園にやって来た。
「ヤギさーん!」「ヤギさん可愛いーー!!」「ヤギさん撫でてあげるねー!!」
子ヤギのメー太は園児達の周りを駆け回り、愛想を振り撒いた後また元の牧場へ戻っていった。
午前10時。
のっし、のっし、のっし、のっし、
「クマ!!」
「クマさんだーー!!」
「クマさんかっこいいーー!!」
山林の山奥からやって来た子ツキノワグマが、幼稚園の遊び場の真ん中で立ち上がりキョロキョロと園児達を見回した。
「クマさーん!こっち向いて!」
「私の持ってるクマの縫いぐるみみたーい!!」
「触っていい?あっ、顔舐めた。」
子ツキノワグマのブンタは園児達と駆けっこをしたり、撫でられたして戯れて遊んだ後、再びのっし、のっし、のっしと山奥へ帰っていった。
午前11時・・・
正午・・・
1時間ごとに動物達の子供が代わるがわるやって来ては、園児達と楽しく遊んで再び山へ戻っていった。
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