第1話、転換、~ conversion~

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某国、某首都 俺が新しくリーダーとなったゲリラ”黄昏のサソリ”を率いてから早数ヶ月、それまで俺達が今までやってきた悪事とこの国の政府の議員たちが裏でやってきた悪事の数々はすべて公に暴露され、革命の火蓋はついに訪れた それまで国を自らの私利私欲の為に食い物にしていた現大統領とその妻の二人は革命の進展を望んでおらず国外逃亡を図ろうとしたが、先回りして逃亡を阻止した仲間の一部が生きたまま国境越えをする前に捕縛する事に成功し、国に連れ戻された大統領夫妻は 大統領「こんな裁判は認めん!、わしはこの国を導く絶対的指導者なのじゃ!!」 裁判中屈辱に唇を噛みしめていた大統領であったが、裁判長が大統領夫妻の贅沢な日常の一方、多数の下層民衆達に苦しくて払いきれない重税生活を強いられたと罪状をあげ、弁護人も「有罪を認めます」と発言、夫妻は裁判そのものを否定したが僅か30分で判決が決まり、この日の為に生き抜いて来た下層市民たちは公開処刑の場として銃殺刑が執り行われる場となった何の役にも立たないその大統領が立てた巨大銅像の前で千を超える弾丸が身体の至る所全てに撃ち込まれ、遺骨になってもその大統領が安らかに眠る事は許されるわけがなく、その愚かしき政権を支えていた議員たちも銃殺刑や斬首刑、もしくは政治生命を絶たれて現政権はもろくも崩壊した 他の自治区に根城を構えていたそれまで俺達黄昏のサソリに敵対勢力として考えは違うがこの国を愛して良くしようとする事は変わりない大多数のゲリラ達がこの時ばかりは力を貸してくれて大きな反政府連合となり、更に驚いたのが他国の軍隊までもが動いたことが革命を大成功できたと言っても過言ではなく、死んで当然だったあの大統領から政権転覆を狙う俺たちにとってはこれほど力強い援軍はなかった 公平無私の選挙で新大統領として選ばれた人物は俺たち下層市民を最優先に思いやる心優しき人物で、他大多数のゲリラ達と連合して転覆成功するまで休みなく戦い続けた俺や仲間たちにとってこの日を迎えるまで休みなく戦い続け、死んでいってしまった仲間たちを弔う幾何の時と傷ついた心と体を休めさせる安寧の時を得る事が出来たのは言うまでもない しかし・・・ 某南自治区、黄昏のサソリアジト ジン「なんだって!?」 突如起きた一つの大きなニュースがこの国全土に住む民たちに大きな衝撃を植え付け、彼ら最下層民が平穏に暮らせる時代は終わりの時を迎えた その時代の終焉を迎えさせた切っ掛けとなる一つのニュース・・・ それは主人公たち下層市民やゲリラたちがこの人の為なら死んだって言いと思わせてしまう程慕われていた大統領を中心に上級階級に住む者たちの都合が良い自由と平等、国民の統一という革命理念を否定し、革命以前の旧政権を復活させようと目論む処刑や生命を絶たれずに逃亡を果たした生き残りと、前大統領の政策を慕う上層市民で結成した軍事グループが企てた恐ろしい計画によって新大統領が暗殺された事件が報道され、その事件を皮切りに外務大臣、国務長官、防衛大臣、官房長官の四人までもが次々と命を奪われて瞬く間に政権を奪い取られて暗黒の時代へと逆戻りしてしまい
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