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ーー
「亜緒ちゃんは、お酒好きなの?」
「はい」
「じゃあ、良く飲みに行くんだ?」
「はい」
「友達と?」
「一人です」
「へぇ、女子の一人飲みカッコいいね!」
「そうですか?」
「そうだよ、ねぇ?」
「うん、私はできないから羨ましい」
「はぁ」
「…」
「……」
分かってる、私のせいで場が盛り上がってないのは分かってる。分かってるけど、緊張してついいつも以上に声の抑揚なくなっちゃうんだもん。
不機嫌な訳じゃないのに、緊張してるだけなのに。緊張してると素直に言えない。
結果、黙々と酒を飲む無愛想な女になってしまっている私。いつもこうなんだ、男が居る場所では特に。
いつの間にか私を除いた三人が楽しく会話中、三上カップルはもちろん私に一目惚れしたという爽やかな男の人も二人と仲が良いようで、私には付いていけない話題を楽しそうに喋ってる。
まぁ、良いけどね。こういうの初めてじゃないし。
と言いつつ虚しさを誤魔化すようにビールを煽っていると、脳内にふと青空君が現れた。
そういえば私、青空君には緊張とかあんまりしなかった気がする。やけ酒の力は大きいけど、コンビ二で会った時も普通に話せたし、服買ったりとかってお節介まで焼いてしまった。
あの後、青空君どうしてるだろう。愛莉のバーで会うこともないし、愛莉の話ではあの時一回きりしか来てないらしいし。
あれだけのイケメンだし、立ってたら女の方から寄ってきそうだから心配は要らなそうだけど。ていうか、私がしでかしたことはホントに迷惑でしかなかったのかも。
そう思ったら、ちょっとだけ胸に棘が刺さった気がした。
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