第四章「拗らせ女子の苦悩」

8/15
前へ
/341ページ
次へ
結局、飲み会の後半は私はほぼ空気だった。三上さんが気遣って話を振ってくれたけどそれにも上手く乗っかれない私は、申し訳なくなって「私に構わないで」オーラをワザと醸し出した。 三上さんにはホント申し訳なくて帰り際こっそり「すいませんでした」と謝ったけど、彼女は笑って「こっちこそごめんね、気分転換って言ったのに逆に疲れさせちゃって。今度は二人で行こう」って優しく言ってくれて。 益々、罪悪感で胸がいっぱいになってしまった。 一人、遅い時間の駅前を歩く。送ると言ってくれたけど「すぐにタクシー拾うから」と断った。 今日は金曜だからか、駅前は賑やかな集団がたくさん居る。その中を、一人歩く私。 何だろう、何で私っていつもこうなんだろう。自分が悪い、それは分かってるけど。 …何か、虚しい。 「お姉さん、一人?」 不意に、声をかけられた。けど無視する。 「お姉さん、めちゃくちゃ美人じゃん!今歩いてる女子の中で一番美人!」 速度を速めた私の横に、ピッタリくっついて来るナンパ男。無視してるのに、メンタル強いな。 それでも無視し続けて歩いてると、どこからともなくもう一人。二人組かよ、どっから湧いてきたんだ。 二人に挟まれて、イライラする私。これでもかって位どっか行けオーラ放ってるのに、未だにピッタリくっついて離れようとしない。 「だからさ、俺らと一緒に行こうよ!全部奢るし」 「もうご飯食べた?カラオケとか行っちゃう?」 …何なんだもう、男のくせに香水臭くて、顔を見なくてもチャラそうな連中だって分かる。
/341ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3293人が本棚に入れています
本棚に追加