第二章 新選組の仕事

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 その時、廊下の方から足音がした。 スパーン! 声をかけることなく、開かれた障子は、やはり沖田だった。 「総司、『用があるときは声をかけてから入れ』といつも言っているだろうが」 鬼の副長と呼ばれる土方は額に青筋を立て、ますます鬼らしくなった。 「まあまあ、いいじゃないですか土方さん。そんなに怒っていると、本当に鬼になっちゃいますよ。それよりもどうして、この子がいるんですか」 「いちいち余計なんだよ。それより、総司、用事は何だ?早くしてくれ今はこいつと話していたところなんだ」 土方に尋ねられて思い出したかのように沖田は話し始めた。 「あ、そうそう。今日の巡察のことなんだけど、昼と夜、左之さんと入れ替わってもらった」 昼と夜が入れ替わったことを聞いて、土方はいいことを思いついた。 「そうか、じゃあちょうどいい。昼の巡察にこいつを同行させてやれ。紫苑が来てから一ヶ月が経つ。そろそろ外に出て調べたいそうだ」 土方の発言は意外だったのか沖田は聞き返した。 「いいんですか?裏切るかもしれないのに」 そう聞いたが、少し考えて、裏切れば僕が斬ればいいんだと納得して、頷いた。
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