第三章 仲間

30/32
49人が本棚に入れています
本棚に追加
/191ページ
 2人は急いで、奥の部屋へ飛び込んだ。 そこで見たのは紫苑の昔の仲間だった。その姿を見た紫苑の顔色は明らかに変わった。 「立花! てめぇ!」 立花と呼ばれた人物はニコリと笑ってこちらを向いた。 「あら、紫苑じゃない。久しぶりね。やっぱりあなた、生きていたのね。紅蓮は元気? あ、あの後死んじゃったのかしら?」 長州の頭と一緒にいたのは、里を裏切った立花と阿曇の幹部だった。  立花に向かって刀を抜こうとする紫苑を止めたのは、沖田の咳き込む声だった。 「ゴホッゴホッ……ガハッ」 その瞬間、大量の血を吐いて倒れ込んだのだ。 「沖田さん! 大丈夫ですか?」 紫苑はすぐさま振り向いた。
/191ページ

最初のコメントを投稿しよう!