第三章 仲間

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 外では、所司代と土方が何やら対峙(たいじ)している。その隣には紅蓮の姿も見える。 「あら、紅蓮もやっぱり生きてたのね。しかも、応援いっぱい連れてきてるじゃない。私達も早く逃げないと。いい? 紫苑。あなた達が生きている限り、周りを不幸にするの。あなたは生まれてくるべきじゃ無かった。だから私は何度でもあなたを殺しにくるわ」 そう言って立花たちは闇の中へ消えていった。  この池田屋事件で新選組は長州の浪人を捕縛、あるいは殺すことになった。新選組の被害は決して小さくはなかった。  この戦いで、藤堂平助は頭に怪我を負う重症、永倉新八は(てのひら)、特に親指と人差し指の間をざっくりと切っていた。そして、沖田は突然の吐血により、意識不明の重体までに陥った。  また、何人もの隊士の命が失われた。 土方もまた、所司代に新選組の功績を横取りされないように必死に戦った。その結果もあってか、池田屋事件に新選組の名が刻まれることになった。
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