第四章 変わりゆく時代

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 上からの指示はまだ無い。しかし、新選組は動くことを決断した。 「上からの指示は待ってられねぇ。俺たち新選組は蛤御門へ向かう」 そこに水を差したのは、一緒に待機をしている見廻組だった。 「上からは待機を命じられている。次の指示がくるまでは待機だ」 その言葉で土方の堪忍袋の緒が切れた。 「何が待機だ。目の前で争いが行われているのを見ないふりしろと言うのか? 俺達は戦うために待機しているんだ。臨機応変に行動するための待機じゃないのか!! そんなやる気のない奴らと一緒にいる義理はない。俺達は向かうがお前らは勝手にしろ!!」 新選組は蛤御門を目指して走り出した。そこは目の前が砂埃(すなぼこり)で見えなくなるほど酷く荒れていた。
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