第四章 変わりゆく時代

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 しかし、そこに長州の姿はなかった。幕府側の攻撃により、追いつけられた残党は死に場所を求め、天王山へと逃れたのである。 「奴らは天王山へ向かった。全員逃がすな! 追うぞ。」 土方はまたもや走り出した。蛤御門から天王山までは少し距離がある。新選組と共に来ていた紅蓮は「何故、そこまで追い立てるのか」土方に尋ねた。 「負けを認め死に場所を探し求める彼らを、どうしてそこまで追い詰める? 彼らは腹を切って死ぬのだろう。最後くらい好きにさせてやらないのですか?」 土方はこちらに視線を移し、そしてまた前を向き話し始めた。 「幕府に弓を引いておいて、名誉ある死に方が出来るわけないだろう。最後まで自分を貫くのが武士なら、俺達も全力で闘うのが筋ってもんだ。そうでなきゃ、相手に失礼だ」 2人の間にそれ以上の会話はなかった。
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