第二章 新選組の仕事

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第二章 新選組の仕事

一、京の町  紫音が新選組に来てから一ヶ月が経とうとしていた。 「土方さん、そろそろ外に出て、情報を集めたいんだけど」  捕らえられてから初めの1週間は尋問されたり、拷問されたりしていた。1週間もしぶとい奴だと、後からいろんな人に言われた。  それからの3週間は平隊士や各組の隊長と道場に行って、鍛錬をしたりして体力を回復させていた。  1ヶ月間も外に出れないとなると正直、暇だ。  紫音は、こっそり外に出てみようと思ったが、諦めた。 屯所の中も隅々まで調べつくしたし、屋根裏には人が通れるようなスペースも発見した。  さらに隊士たちの人間関係や、幹部の情報も手に入れた。新選組の中で一番権力を持っているのは、表向きは局長だが、実際は土方の意見が大きな役割を果たしている。屯所内での情報を調べつくしたので、そろそろ外に出て、情報を仕入れたいと思ってきたところだ。紫音はもう一度土方に尋ねた。 「そろそろ一か月になるのだから、外に出たいんだけど」 机に向かっていた土方は、ピタッと筆を止めてふり向いた。 「そうだな、もう一ヶ月か。この一ヶ月間逃げもせずに大人しくしていたからなぁ……。だが、一人きりで行かせるわけにはいかないし……」  その時、廊下の方から足音がした。
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