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第四章 変わりゆく時代
一、山南敬助の死
元治元年、6月22日、京都御所は長州軍に包囲された。
幕府に届いたのは一通の手紙。その内容は和解のための嘆願書であった。しかし、幕府はその事に一切の無視を決め込んだのだ。
痺れを切らしたのは長州側。いつまで経っても返答のない幕府に対し、長州側は7月18日、ついに京都御所へ攻め入ったのだ。
これが、後の禁門の変、(蛤御門の変)と呼ばれるものである。
新選組も幕府からの命により、見廻組と共に九条河原で待機することになった。
待機をしてからもう随分と時間が経っている。
「おい、俺達はまだ、動けねぇのかよ。このままじゃ逃がしちまう」
待機と言われ、思うように動けない土方は苛立ちを隠せないでいる。
御所では、激しい戦いが繰り広げられているのだろう。あちらこちらから煙が上がっているのが見て取れる。
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