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「本当にいいのかな。」
私が呟くと、それを聞いていた子供たちが、
「 昨日の夕方ビーチを散歩してホテルから出たとき
発砲事件があったでしょう。パトカーも来てさ、パパガタガタ震えてたもん。本当にホテルから一歩も出たく無いんだよ。」
「 うん、僕もそう思う。
ママは怖く無いのかなって言っていたもん。
買い物したいなら行っていいよ。」
「 ありがとう。」
優しい男達3人に見送られて、私は一人で街に出た。
一人で買い物なんて本当に久しぶりだ。
まさかこんな日が来るなんて夢にも思わなかった。
私は子供のころから両親から虐待されて育った。
子供が生まれて、その子が重い心臓病で、それでも必死で育ててきた。
次男が生まれて学校に行き出すと次男には手がかからないが、港ちゃんの養護学校への送り迎えと夫の開業の仕事の手伝いなど毎日が目のまわるような忙しさだ。
子供が生まれてから美容院に行った時、託児付きと書いてあったので安心してカットしてもらったら、お金を払う時に連れてきた子供の顔を見て心臓が止まりそうになった。泣き過ぎて顔が内出血して真っ赤になっている。私は二度と美容院に行っていない。
カットは自分でする。
子供を泣かしてまで美容院に行く事は無いのだ。
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