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「 僕は息が出来るようになって生きてると思った時、お兄ちゃんを僕が殺しちゃったと思って、どうしようと心配したんだ。
僕が生まれてからずっと優しくしてくれたお兄ちゃん、心臓が悪いから僕が守らないといけないのに、僕が後ろから押してしまったから。
ほんの冗談のつもりで2人で笑いあいたいと思っただけなんだ。
本当にごめんなさい。僕が悪かった。
ごめんなさい。」
総十郎は静かに涙を流しながら私に説明した。お兄ちゃんは、
「 プールの底から見た女の人が僕の胸の傷を見て、目を真ん丸にして驚いていた。
キョロキョロして親を探していたと思う。
アーユーOK?
って何度も聞かれたから、僕は
サンキュー、OKです。
って答えたの。
その人、昨日の夜パーティでママが座るところが無くて困ってる人達に、
こちらへどうぞって席を譲ってあげた人だった。
髪が金髪で短い、優しい目をした人。そしてその友達の人達。
総十郎がパパを連れてくるまで僕の周りに何人もの人がずっといてくれたんだよ。
こんな病気の子を子供達だけでプールに入れるなんて。みたいなことを言っていたと思う。
何となくだけど。」
「 本当にそうだわ。ごめんなさい。
私が買い物なんて行くんじゃ無かった。
ちゃんと見てないのが悪いのよね。
ごめんなさいね。
大変だったね。」
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