第二章 換りの子

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 気を取り直して、檻の周りの様子を確かめる。  看守役のブジンは檻に背を向けて立っている。こいつらは、俺達を見張っているという よりも、危害が加えられないように守っているんだ。換りの子の重要性を考えれば、至極 当然な行動だ。  俺は物音を立てずに檻の出口まで近づく。最新の注意を払って、静かに出口を開ける。  ブジンどもは、何も感づいていないようす。  よし! 今だ。  俺は、砂浜の見える船端に向かって、一目散に走りだした。
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