06

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「一生童貞でホモなんて可哀想すぎるから、素直になれたご褒美に触らせてやってもいい。でも、最後まではだめだからな」  かかった。ほくそ笑んでしまいそうになり、慌てて呆けた風を装おう。 「い、いいのか」 「ちょっと触るだけなら」 「……嬉しいよ」  入江が黙ったまま口角を上げる。思い通りにならなかった目障りなホモが、自分に惚れていたと判明して愉快で仕方ないらしい。生理的な嫌悪感を上回るほど、優越感という名の快楽に酔いしれている。 「でも俺童貞だから、入江の気持ちいいところ教えて……」  返事を聞くより先に入江のシャツをめくりあげた。さっさとその気にさせて、大嫌いなホモに翻弄されるという屈辱を死ぬほど味わわせてやりたい。 「バカ、がっついてんじゃねえ」 「ごめん。ずっと好きだった入江に触れるんだと思ったら興奮して……」  咎められても気にすることなく、まくり上げたシャツの端を「抑えてて」と入江に指示する。 「てめ、図々しいんだよ」 「童貞だからスマートにできなくてごめん」  童貞という事実を盾に口先だけの謝罪をして、露になった胸の先端を引っかいた。 「ん……っ」 「乳首感じる?」 「んなわけねえだろ。男の乳首なんか触ってどうする気だよ」  眉間に皺を寄せながらとんちんかんな抗議をする入江がおかしい。 「有伎をかわいがってアンアン言わせたいだけだよ」  掠めるほどの微妙な位置で指先を上下に弾く。勝手に下の名前で呼ぶと、入江が「てめ、勝手に……!」と唸った。 「有伎の乳首おいしそう」 「……っ、キモいこと言うな変態ホモ!」  いつもの口汚さは健在だが、無視して乳輪をくるくるといじる。触れるか触れないかの微かな刺激に、入江は眉を寄せて耐えた。 「固くなってきた。なあ、有伎のかわいい乳首、舐めてもいい?」 「は? なに……」 「舐めるよ」 「ああ……っ」  じゅ、と小さな突起に吸い付くと、入江があごを浮かせた。空いている方の手でもう片方の乳首を刺激しながら、ゆっくと吸って舐めてを繰り返す。  焦れったい愛撫を続けているうちに、入江の頬が上気し、無意識に尻を揺らし始めた。 「有伎かわいいよ。俺に乳首かわいがられて、ここも固くなってる」  胸をいじりまわしていた手を入江の股間に移動させると、中心部がふっくらと膨らんでいる。  柊馬はそこに顔を寄せ、エロ本で見たシーンを再現するように、ジッパーを咥えてゆっくりと下げた。 「ここもしゃぶりたい」  下着の上にキスを落とし、唇で入江の形を確認しながら囁く。 「おまえ本当に童貞か……」 「毎晩妄想の中で有伎とやりまくってたけど、童貞だよ」
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