ストーカー合コン

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 犯罪の80%以上がストーカー犯罪の現状。 警視庁、生活安全課の本田が深いため息をついた。 ストーカーを無くす方法?それは皆無に近い。 でも……。 「相当行き詰まってるみたいですね、本田さん」 自分一人しかいないと思ってた取調室にいつからか後輩の川西がいた。 「さっきの容疑者も結局、反省の言葉は無かったですね」 見た目は全く普通の30歳の青年だった。 彼女とは二年前に別れた筈なのに、彼女はそれをちゃんと彼に伝えた筈なのに、彼は全く認めずに、この二年間ずっと付きまとっていたのだ。 1日100通のメール。彼女が拒否すれば新しいアドレスを作り、また送るの繰り返し。 家に来るなと言うのに、週に一度は彼女の自宅周辺をうろついてた。 それでも、彼女の方は、警察に言うほどでも無いと放っておいた。 そんな中事件は、起こった。 彼はいつものように彼女の帰りを待っていた。 彼女はいつもの時間、いつもの道を歩いて帰っていた。 ただ一つ違っていたことは、その時、彼女は一人では無かった。 新しい彼と歩いていたのだ。 それを見た逆上した彼氏は、彼女が一人になるのを待ち、口論から絞殺にいたってしまったのだ。 「困ったものだ。何かいい案はないかな?」 「それなら。」 川西は、自分に問い掛けて来るのを待っていたと言わんばかりに、声を張り上げた。 「ストーカー合コンなんてどうです?」 「……、ストーカー合コン?」 聞き間違いなのか? 突拍子もない川西の言葉を聞き返してしまった。 「そうです。ストーカーの前科がある者、ストーカーとして注意されてる者などを集め、本人達にはそのことを言わず、ストーカー同士の合コンをさせるのです。」 この川西と言う男は今年この課に配属されて以来、本田の前で変わった発言ばかりする。 「ストーカー同士なら同じような性格だから、うまくいくんじゃないですかー?」 などと、楽しそうに語る川西を見て、そんなの不可能だと思いつつ、いや、もしかしたら、そこで何かいい案が浮かぶかもしれないと思う本田だった。
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