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わたしは、教室で扉近くの子に、迷惑をかけれません
先輩は手を体の前で合わせて、謝っていました。わたしは、窓際の席から、散ってしまった中庭の桜を眺めていました。窓に少しカーテンがかかっていて、鏡像として、ぼやけて、ネエネエ先輩が映りこんでました。
わたしと同じ苗字が聞こえましたが、多い苗字なので、気にしてなかったのです。下の名前が聞こえて、振り返りました。すでに、コンバットオーナーの子が、わたしの目の前まで、小走りできたあとでした。
「先輩が呼んでるよ」
「気付かなかった、ありがとう」
わたしも、弁当を中断した子と同じくらいの速さで、扉に向います。歩くと、わざわざ走った、コンバットオーナーの子に、失礼だからです。ネエネエ先輩の顔には、恋わずらいをする乙女のような、陰りがさしていました。
「先輩どうかしたんですか?」
「ねえねえ……、少し場所を変えてお話したいの。良いかな」
コンバットオーナーの子は、聞こえない振りをして、ぎこちなく食事をしていました。気まずいし、迷惑かけたくないので、廊下に出ます。
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