5-そうだよ、お父さまはオスブタなんだヨ

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5-そうだよ、お父さまはオスブタなんだヨ

『押さえ込まれているのは、ペッシェ?お父さま!ペッシェに折檻をしているの!? ひどいわ!彼が何をしたっていうの!おやめになって!』 「ち、ち、違うぞ、リリー。これは……そう、夢だ!リリーは夢をみているんだ!」 たしかに、起き出したのは姫の幻影の方だった。 とは言え、この光景を姫が見ているということに変わりはない。 陛下は必死で取り繕いながら、結合部が見えないよう、体を密着させてくる。 「ぁふぅ……」 しかし……私の体はすっかり敏感になっていて、体をすりつけられたせいで甘い息が漏れてしまう。 その上……。 「んぁっっ……んっ」 今までで一番深い……っ。 『夢?ええ、そうね、私、魔法で夢を見ているのよね。……ということは、これがお父さまが私に弟や妹を作ってくださる夢なのね!』 「ゔ……そ、そう……だよ、リリー」 姫の無垢な笑顔に、陛下の声がひび割れた。 『わたしね、先日、モンを交配させるためのお見合い先にお願いして連れて行ってもらった時に、引き合わせてすぐにオス豚がこんなふうにのしかかってきたのを見たわ!つまりお父さまはオス豚なのね』 「ゔぁ………ああ、そうだよ、お父さまはオスブタなんだヨ………」 陛下が半眼でフラフラと揺れている。 『まぁ!素敵だわ、お父さま!ペッシェと交配してくださるのね。でもペッシェはメス豚ではないわ。どうやって子供ができるのかしら』 そのときミニブタのモンの幻影がトコトコと寄ってきた。 『あら?これは何?ええ、なるほど?そうなのね!』 リリー姫がモンからおしゃぶりのようなものを受け取った。 『お父さま、モンが教えてくれたわ。ペッシェがこのアナルプラグというものを、お父さまの子種を受けた部分に挿し込んだまま十日過ごすと、中に入っている部分が膨らんで卵になるんですって。その卵を取り出してさらに二十日温めると私の弟か妹が産まれるの!ああ、メルヘンチックだわ』 「リリーが今手にしているそれは、目がさめると同時に消えてしまうだろう?アナルプラグとやらは、どうやって手に入れればいいんだろうね」 『それはお祖母さまにお願いすれば大丈夫よ。ペッシェを連れて行けば、ぴったりのアナルプラグを作ってくださるはず』 ………私が、白い森の魔女の所に行って、アナルプラグを作ってもらう……だと!? 「そ、そんな恥ずかしいこと……!」 『あら、何が恥ずかしいの?お父さまとペッシェの子が産まれるなんて、とっても素敵だわ!』 「しかも、ソレを十日も挿したままにしなければならないんですか?」 『少しの間も外してはならないそうよ。ああ、わたしとても楽しみよ。ペッシェがアナルプラグを挿した姿を早く見てみたいわ』 「だ、だめですっっ!絶対お見せできません!」 『あら、なぜ?』 「ふ、普通の妊婦でも、大きくなったお腹をなでることはあっても、赤ん坊の出口を見せてもらうことはないでしょう」 『あら、その通りね。いやだ、わたし、とてもはしたないお願いをしてしまったのね』 とんでもないことを言い出しはしたが、両手で口を押さえる姫は変わらず無垢で愛らしい。 『あら、困ったわ。子供を作る方法はわかったけど、どうすれば現実のお父さまとペッシェが交配してくださるようになるのかわからないわ。夢の中でわたしが目をさましたときには、すでにお父さまはオス豚のようになっていらしたんですもの』 「そ……それは……」 陛下はとっくにヤる気満々のように見えるが、私にはまだその覚悟はない。
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