6-より良い性交体験を

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「子供好きがみな、子供を産みたいと思うかはわかりません。それ以前に男は子供を産めませんから」 「それは大丈夫よ、ペッシェ。お父さまがきっとどうにかしてくださるわ。だってお父さまはこの国で一番の雄ブタですもの。きっと交配もお上手よ」 ……いいえ、子作りの実績はあれど、陛下は交配初心者の、早漏、粗チンなミニブタ野郎です。 笑顔で心の声をごまかす。 「そうですね、もし陛下が私を(おもんばか)り、慈しみ、大切にすると誓ってくださったら、陛下のお子を産みたいと思う『かも』しれません」 「まあ!ほんとう!? ああ、お父さまにすぐにお伝えしなければ」 姫が愛らしく顔を輝かせ、踊るように陛下の書斎へと向かった。 「リリー姫、陛下は私のことなど全く見てはおりませんよ」 姫の残り香のする廊下で、私は、ぽつり、つぶやいた。 ◇ 「ペッシェ!そなたに愛を誓えば、すぐに子作りをさせくれるというのは本当か!?」 陛下の私室へと呼ばれ、開口一番の戯言に私の眉がつり上がった。 「何をどう聞き違えたのか知りませんが、そのようなことを言った覚えはございません」 「だが、慈しむと誓ってくれれば、すぐにでも私の子を産みたいと思っていると、リリーが言っていたぞ」 「私を『慮り、慈しみ、大切にする』と誓ってくださったら、陛下のお子を産みたいと思う『かも』しれないと言ったまで。つまり『最低限迷惑をかけない努力くらいはしていただきたい』という意味です。陛下は私にさまざまな物を贈りつけてきますが、要らぬものばかりで非常に困っておるのですよ」 「なっ……そこまで言わずとも良いではないか……」 「言わねばわからないでしょう」 「さ、さすがに私も全く喜ばれていないことくらい、気づいてはいたよ。そこで、今日はペッシェに喜んでもらおうと、作戦を考えたのだ」 「……」 さっと私の腕を掴み、寝室に向かう陛下に、嫌な予感しかない。 陛下がいつも一人寝する大きなベッドの横には近衛兵が三人。 「彼らは私が厳選した、この国随一の男たちだ。みな、ペッシェに向かってその雄々しさを示せ」 三人の近衛兵が一斉にズボンを下ろした。 「………………」 恥ずかしそうな者、堂々とした者、様々だが、みな一様に立派なイチモツ……。 「陛下……まさか」 「私が多少心許なくても、この者達の力を借りればより良い性交体験(せいこうたいけん)をそなたに与えることができる」 陛下が自分の作戦に胸を張った。 「…………ふぅ。貴方はご自分が何を仰っているのか理解してらっしゃるのですか」 「もちろんだ。ペッシェがあの夜の事を覚えていないというのは嘘だろう。私があまりに拙かったため、無かったことにしようとしている。しかし、一人の力は小さくとも、力を寄せ合えば、より素晴らしい成果を上げることができるのだ」 「……左様でございますか。でしたら陛下、どうぞ彼らとお並び下さい。そして同様のお姿に」 陛下は一番左に並び、速やかにズボンを下ろした。 「陛下、これは明らかに失策です。御覧なさい。彼らと並ぶと、陛下のイチモツは……ふっ。隣の兵の玉ほどしかなく、より子供っぽさが際立ってしまいます」 「っっ……」 陛下が羞恥に頬を染め、手で自分のモノを隠した。
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