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そこへ救いの様な声が囁かれた。
「その男の言うことは本当です」
なんと、異星人が喋った!
ギルバートは呆気にとられて無言で異星人を凝視した。
「な、何故殺したのです?」
ギルバートに変わってジョナサンが質問した。
「それは、その男が……魔法を使ったからです」
異星人は淡々と喋ったが魔法の所で躊躇するような言葉を選ぶような間があった。
「ま……魔法?」
「馬鹿な!ゴンザレスは魔法なんか使えねぇよ!」
ジャックがいきり立って弁明する。
そんなに吠えなくても、ゴンザレスは最も魔法が使えなさそうな風体をしていたので誰も疑ってなかった。
その前に魔法使いがこの世に居たらの話だが……。
「ではゴンザレスは何もしなかったのか?」
ジョナサンはジャックに詰問した。
「あぁ、何も」
「何もって事は動かずに喋らずにじっとしていたってことか?」
ジョナサンが重ねて聴く。
「ん?そうだ、いや、イキナリこいつらがやって来て部屋のレーザー格子を解除したから挨拶くらいはしたさ」
「挨拶?なんて言った?」
「はぁ?普通だよ、『僕の名前はゴンザレス、君らと友人になりたい』だったかな?」
「それだけ?」
「それだけさ!そしたらあいつの手がいきなり伸びて」
ジャックは倒れている緑の異星人の方をチラリと見た。
倒れてピクリとも動かない、何故だ?
ジョナサンは自分の考えを徐々に訂正しながら考えを巡らせた。
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