その3

2/12
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/84ページ
 初対面で何を偉そうに話すか、何者なんだ、こいつはと村人は不満に思いながら、「ああ、そうだべ。」とぶっきらぼうに答えました。この村人もニッポン国の民ですから神様がスポーツカーにお乗りになって巡回されていることを知ってはいるものの、そのスポーツカーが見当たりませんし、神様の身なりが人の目には仙人のような格好をした変わり者にしか映りませんからそうなるのも仕方ありませんが、神様の後方の100メートルほど先の道端に見覚えのある派手な車が停めてあるのが視野に入り、もしやと思い、神様のお顔を注視しますと、神様がにやりとされたので忽ち勘付いて、その場に即刻、平伏してしまいました。 「ははあ、神様でいらっしゃるとは露知らず、とんだ無礼な真似をいたしまして大変失礼いたしましただ!どうか、お許しくだせえまし!」
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!