その5

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その5

 今、神様はサナエを助手席にお乗せになりマイスポーツカーでハイウェイを爆走していらっしゃいます。 「どうじゃ、気持ちいいじゃろ。」 「あ、あの、私、怖いです。」 「怖い?なんでじゃ?」 「あ、あの、お速すぎます!あっ!ぶつかる!」  神様は絶妙のステアリングワークで前方の車をかわされながらジグザグ走行で一気に3台を牛蒡抜きされました。 「大丈夫じゃて、わしは人間で言えば超人なんじゃから。」 「あの、よそ見をされては、あっ!今度こそ!」  神様のスポーツカーはひょいと前方の車をかわして、また追い抜きました。 「ほら、申したじゃろ、大丈夫じゃて。」 「え、ええ・・・」 「まあ、しかし、サナエちゃんの顔が強張りっぱなしじゃ、わしも面白ないから。」  そうおっしゃいますと、神様は程よいスピードに落とされました。 「どうじゃな、これくらいなら気持ちいいじゃろ。」 「はい、神様。」  サナエが安心して顔を綻ばせましたので神様はいそいそとされまして暫くデートをされている御気分でドライブを楽しまれましたが、意を決しておっしゃいました。
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