工事現場の人

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 家の近くの道路で工事が行われている。  作業服の人達が、朝から軽トラでやってきて仕事に励むのだが、昼前と昼過ぎ、二回の休憩の際、仲間達の輪に加わらず、必ずポツンと離れた位置に座っている人がいることに気がついた。  周りに比べて一人だけ若い印象だから、話が合わなくてスマホでも弄っているのかな。でもその人の手元には何も見当たらない。  みんな和気藹々としているのに、いつ見てもその人だけは、離れた位置にポツンと座り込んでいる。  仕事だから同じ現場に来るけれど、もしかして仲間外れにされているのだろうか。  気になり、ついいつも見ていたけれど、やがて工事は終了し、作業員の人達は現れなくなった。  でもあの人だけは、今も工事が終わった現場にいる。  たった一人で道に座り込み、行き交う人達を眺めている。  断言できる。あの人、前は絶対にいなかったよ。  工事の人達についてきて、そのままあそこに居残ってしまったのか。あるいは、工事の際に、あの人が出現するような何かを掘り当ててしまったとかなのか。  今もずっとあの場に居続ける、多分この世のものではない人。  もしまた次にあそこで工事が行われることがあったら、それが終わる時には、作業員の人達と一緒にあそこから撤収してほしい。 工事現場の人…完
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