第四話 荒野のカウボーイ

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英明は心の中で自分にパンチを 食らわせたい気分だった しっかりしろ! しかし今朝の彼女はなんて艶やかなんだ 4Kテレビより眩しい 会うたび綺麗になっているような気がする こんなに綺麗になる必要があるのか? 神様は不公平だ 彼女の周りは酸素が薄い 英明は思わず浅く深呼吸をした 何か話題を探さなければ・・・・・ 「喫茶店はうまく行ってるか?ヨシノ」 優しい彼の声にみゆきはぞくりとした そしてコーヒーを飲んで一瞬止まった それがおかしくて思わず微笑んでしまう 彼もまた薬のような濃いコーヒーに 怯んでいるのだ ヨシノが途端に肩を落として言った 「どうしたらいいのか・・・・ 母さんが経営していた頃とは あきらかに売り上げが落ちているのよ・・・」 ヨシノは再びみゆき達の向えに座り 涙声で言った 「このままじゃここをたたむしかないわ ここを売り払って本州に引っ越して 商社なんかに勤める方がいいんじゃないかって思うの 」 もう一度英明はコーヒーを啜って顏を しかめた
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