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数分後
大きな厩でみゆきは顔の数センチほどの
所に横たわる馬の輝く茶色の後半身を
マジマジと見つめていた
厩に来る道々健二から産気づいた牝馬に
問題が起こったことを詳しく説明された
いつも良い仔馬を産み
英明の牧場でも１・２を争う立派な馬の
サザンロワイヤルが窮地に陥っているのだ
それは馬の事は素人のみゆきでもわかった
牝馬は横向きに倒れぐったりしている
艶やかに光る大きな横腹が繰り返し
盛り上がってはしずんでいる
中の仔馬が動いている
サザンロワイヤルは苦しそうに
ヒヒーンッと鳴いた
大きな体が震えている
「この子・・・・苦しんでいるわ・・・」
英明が馬の鼻を撫でながら言った
「ここで来て予定日を過ぎても
出てこない・・・
横向きか逆子だ・・・ 」
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